お金に関わる知識を持っていれば、日常生活はもちろんのこと、仕事面でも活かせます。
皆さんは、お金に関する知識をいつから身につけられてきましたでしょうか?
日本の義務教育では、お金に関する知識の授業はほとんどなく、大学や社会に出てから学ばれた方が多いと思います。
社会に出ると、知らないと損をすることが多く、痛い目にあってから学ばれた方もいるのではないでしょうか。
お金の知識を得るということは、ご自身の収入・使えるお金を増やす、投資で利益を出すためにも重要です。
どうせ勉強するなら資格を取得し、キャリアアップに繋げたい!と思われる方もいるかと思います。
資格を取得すれば、キャリアアップに繋がる可能性もありますし、ご自身の私生活にも大いに役立つと思います。
今回は、お金に関する資格でおすすめしたい3つの資格について紹介していきます。
目次
お金に関する資格①:フィナンシャルプランナー(FP)
「FP」という言葉を聞かれたことがある方、あるいは、すでにご存じの方も多いと思います。
FPは、Financial Planner(フィナンシャルプランナー)の略です。
フィナンシャルプランナーとは、相談者の目標や夢が叶うようにお金にまつわるサポートする専門家です。
具体的には、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識を有し、その知識をもって、資金計画や経済的な側面から実現に向けてアドバイスを行います(これをフィナンシャルプランニングと言います)。
『参考:日本FP協会(https://www.jafp.or.jp/aim/fptoha/fp/)』
フィナンシャルプランナーの相談例としては、資産運用、教育資金、家計管理、保険などさまざまです。
フィナンシャルプランナーの資格には、大きく国家資格と民間資格に分かれます。
【国家資格 FP技能士について】
国家資格はFP技能士(フィナンシャルプランニング)があり、1級~3級があります。
3級は受験資格は、誰にもあり、お金の基礎的な知識を身に着けたい方におすすめの資格です。
2級以上が仕事面、キャリアアップに活かせる資格となっています。
ただ、FP技能士2級を取得するには条件があり、FP技能士3級取得後に2年以上の実務経験が必要となります。
FP技能士3級を持っていれば、FP技能士2級に受験ができる訳ではなく、実際に実務をこなすことで、初めて受験資格が得られる資格です。
ですので、FPの資格を活かしてキャリアアップ、独立を目指されるのであれば、まず、実務経験を積むことが求められます。
FP技能士2級を取得すれば、クライアントからの信頼も高まり、自分の頑張り次第では、独立の道も見えてくると思います。
【民間資格 AFP、CFPについて】
民間資格のAFP、CFPについて紹介します。
AFP(アフィリエイテッド・フィナンシャル・プランナー)は、日本FP協会が認定している資格です。
FPとして、十分な知識を有しているという証になり、このあとに紹介する国際資格であるCFP(上位資格)の試験を受けるのに必須の資格となります。
国家資格のFP技能士との違いですが、
1.日本FP協会の会員になる必要がある(入会金10,000円、年会費12,000円必要)
2.2年に一度更新が必要(日本FP協会指定の教育単位の取得が必要)
があります。
国家資格のFP技能士は入会費や更新の必要はありませんが、AFPの資格を維持し続けるには、費用と勉強が必要となってきます。
これだけを聞くと、FP技能士の方がいいのでは?と思われる方もいるかと思います。
メリットとしては、AFPは日本FP協会が定める水準の知識を求められるため、質の高いFPの証になり、また、国際資格であるCFPの受験資格が得られる点があげられます。
FPとして独立を目指される方、将来、海外でも活躍をしていきたいと考えられている方には、AFPを取得していても損はないと思います。
続いて、CFPについて紹介します。
CFPはCertified Financial Planner(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)の略で、AFPの上位の資格となり、高度なFP技能と職業倫理を有するFPに与えられる国際資格です。
CFPを取得すれば、世界が認めるFPのプロフェッショナルの証となり、クライアントからの信頼が高まることはもちろんのこと、セミナー講師であったり、執筆の依頼だったりと仕事の幅が広がるチャンスに繋がる可能性があります。
お金に関する資格②:日商簿記
「簿記」と聞かれて、皆さんがイメージされるのは、日本商工会議所が認定している「日商簿記」が多いのではないかと思います。
簿記には日商簿記を含めて4種類の資格があり、「全商簿記」「全経簿記」「日ビ簿記」と主催者により異なる簿記の資格が存在します。
今回は、日商簿記に焦点を当てて、紹介をします。
そもそも簿記とは何かと説明しますと、企業の日々の経営活動を記録・計算・整理し、経営成績と財政状態を明らかにする技能のことです。
では、簿記を勉強することで、どういったメリットがあるのか。
1.会計知識が身につく
2.財務諸表が理解できるようになる
3.キャリアアップに活かせる
があげられると思います。
会計知識がつくことで、家庭の財務状況も把握することに役立ちますので、無駄な出費を抑えることができ、手元に残るお金を多くすることに繋がります。
また、企業の経理の仕事にも役立ち、企業の財務諸表も理解できるようになるので、自分の勤める会社の経営状況が一目瞭然となります。
企業の財務諸表を見ることができれば、企業の健康(経営)状態がわかりますので、株式投資にも役立つ知識になると思います。
日商簿記に話を戻しますと、日商簿記の資格にも複数あり、日商簿記1級~3級、日商簿記初級、日商原価計算初級とあります。
まず、日商簿記初級と日商原価計算初級について紹介します。
【日商簿記初級について】
日商簿記初級は、2017年から導入された資格です。
日商簿記4級と差はありませんが、大きく変わったのは試験方法です。
4級の試験は、それまで日本商工会議所が指定する試験会場で試験を受けるという形だったのですが、インターネットで受けられるように変更されました。(受験料2,200円 税込)
初級では、簿記の入門として難易度も一番低く、以下の基礎的な知識が身につく資格です。
・基礎概念(取引の種類や意義、勘定、帳簿、証票と伝票)
・期中取引(現金預金、売掛金と買掛金、その他債権と債務、手形、商品、固定資産、純資産、収益と費用、税金に関する内容)
・月次の集計(毎月の決算をおこない、数値を正確に読み取る)
簿記がどういったものなのかを手始めに知りたい方は、初級から受けられるのもいいかと思います。
【日商原価計算初級について】
日商原価計算初級は、製造業、飲食業、サービス業などの原価計算が身につく資格です。
原価計算について、特に営業の方は、見積書を作成する際に必要となる力になるので、身につけておいて損のない力だと言えると思います。
日商原価計算初級で求められる力が以下となります。
・原価計算の基礎概念(語句選択問題、仕訳問題)
・利益の計画と統制(営業計画の作成問題)
・製品別・サービス別期間損益計算(製造原価明細及び損益計算書の作成問題)
試験方法は、インターネットから受験することができ、合否判定もインターネットで確認することができます。(受験料2,200円 税込)
原価計算の基礎的な力をしっかりつけたい方は、受けることをおすすめします。
【日商簿記(1級~3級)について】
日商簿記は、階級が1級、2級、3級の3段階があります。
受験料は、1級が7,850円(税込)、2級が4,720円(税込)、3級が2,850円(税込)です(※2023年3月4日時点)。
1級は年に2回、2、3級は年に3回受験のチャンスがあり、2、3級はインターネットから受験ができます。
それぞれの合格率ですが、1級が10%前後、2級が20%前後、3級が40~50%前後になります。
しっかり対策をすれば、合格も十分に狙える資格だといえるでしょう。
ただ、十分に合格が狙えると言っても、どれくらい勉強する必要があるのか、気になる方もいるかと思います。
個人差があるので一概に言えませんが、3級は70時間ほど、2級は200時間ほど、1級は500時間ほどと言われています。
上位の級ほど勉強時間を要しますが、合格後のメリットはかなり大きいと言えます。
会社で経理に携わる仕事をしたい方は、取得しておけば、就職や転職もしやすくなります。
また、2級以上の資格を取得していれば、社内評価も高まりキャリアアップにも繋がります。
特に1級を取得すると、希少価値があることはもちろんのこと、試験では経営管理や分析を行う能力も問われるので、会計のスペシャリストとして見られ、重宝されます。
会計に強い人として見られるだけでなく、勉強に費やす時間も大きいので、長期的に努力ができる人と内面の評価アップにも繋がると言えるでしょう。
仮に独立をしたとしても、自身で会社の状態を把握することができますし、取引先の会社の状態も財務状況から分析、把握することができるようになるので、取引をするかどうかの判断材料になります。
結果、自身が経営する会社の更なる飛躍に繋げることもできるでしょう。
お金に関する資格③:年金アドバイザー
「年金アドバイザー」という資格を初めて聞く方もいるのではないでしょうか。
簡単に説明しますと、銀行検定協会が主催する民間資格で、年金に関する知識の習得度や実践力が問われます。
階級は2級~4級があり、2級が最上位となっています。
年金アドバイザーは、金融関連業務に従事する方が取得する資格です。
では、なぜ、おすすめをするのか、理由が2つあります。
1つ目は、自分自身や家族、身の回りの人のアドバイザーとして役立つことができる。
また、年金に関する知識をつけることで、今から老後に向けてより具体的な対策を打つことができる。
特に少子高齢化が進む現在では、金融業務に関係なく、老後や年金についてアドバイスができる存在は非常に価値が高いと思います。
年金アドバイザーは勉強時間が30時間ほどと、他の資格と比べて勉強時間が少ないので、先ほど紹介したFP技能士やこの後紹介する社労士と掛け合わせることで、クライアントに対して高い信頼を得られるでしょう。
2つ目は、社労士の資格取得にも繋がることです。
社労士の試験では、年金に関する内容が110点中の30点分の割合を占めます。
年金アドバイザー3級相当の内容が社労士の試験で問われますので、社労士へ向けての下地作りのためも含めて、勉強をしておいても損はないと言えます。
まとめ
フィナンシャルプランナー、日商簿記、年金アドバイザーと各資格についてご紹介してきました。
フィナンシャルプランナーには、国家資格と民間資格があり、日常生活や仕事で活かすのなら国家資格のFP技能士がおすすめです。
フィナンシャルプランナーのプロフェッショナル・独立を目指されるのなら、民間資格であるAFP・CFPを取得すれば、より幅の広い仕事ができることでしょう。
日商簿記は、日常生活に活かすのなら3級で十分だと思います。
仕事で活かしていくのなら2級以上の資格取得を目指していきましょう。
会社の財務諸表が理解できるようになると、株式投資にも役立つ知識になるので、応用が利きやすいです。
年金アドバイザーについては、金融業に限らず、高齢化が進む時代で知っておいて損のない資格だと思います。
仕事で活かすことを考えられるのなら、社労士やFP技能士などの資格と組み合わせれば、クライアントから高い信頼が得られるはずです。
初級レベルの知識でも身につけておけば、日常生活で活かすことができ、無駄な支出を減らし、使えるお金を増やすことに繋がります。
また、現在だけでなく、将来への積立にも役立ちます。
さらに専門的な知識を身につければ、仕事面でも活かすことができ、キャリアアップや独立も目指せます。
結果として、収入アップにも繋がり、ご自身の生活をより豊かにすることができるでしょう。
ご自身の目的に合わせて、必要な知識を身につけ、まずは、お金に関する情報を知らないという状態から脱出してみてはいかがでしょうか。
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