不動産は適正価格で取引すべし!適正価格の調べ方や売買のコツをご紹介

所有する不動産は1円でも高く売りたいものですよね。

納得のいく価格で不動産売却を成功させたいときは、自身の所有する不動産に一体どれくらいの価値があるのかを理解しておく必要があります。

とはいえ、不動産の価値を決定するのは複合的な要因があります。

建物であれば築年数や経年劣化の有無、土地であれば周辺環境の変化などで価格は変動しますし、どの不動産も売り出すタイミングによって価格は大きく変動します。

そのような状況下で売主・買主双方がウィンウィンな取引を実現するには、その不動産の適正価格を知っておくことが大切です。

この記事では、不動産取引における適正価格の調べ方や売買のコツをご紹介します。

不動産売買で損をしたくない方はぜひご一読ください。

適正価格の基礎知識

①不動産は初めから適正価格で売った方が良い!?

そもそも、不動産売買における取引価格の指標は2つあります。

・希望価格:売主が希望する売り出し価格
・適正価格:実際の売り出し時期の相場の価格

不動産は、この「適正価格」をもとに売買を行うことが大前提です。

不動産を「少しでも高く売りたい!」と希望価格で売りに出す気持ちはわかりますが、購入希望者からは相場よりも高いイメージを持たれてしまい、気に入ったとしても実際の購入まではつながらない可能性があります。

そうすると当然商品の鮮度は落ち、なかなか買ってもらえなくなってしまいます。

そうすると、希望価格よりも適正価格で売ったほうが結果的に高く売れてしまうということになります。

もちろん価格設定は売主の経済状況や今後のプランによって異なってきますが、本当に少しでも高く売りたいのであれば適正価格での売却をおすすめします。

なお、適正価格の具体的な活用方法については「適正価格で不動産売買を有利に進めるには?」にてご紹介します。

②適正価格が変動する要因

不動産の購入時と売却時で価格が違うというのはよくある話です。

適正価格が変動する要因は主に3つあります。

・要因1:不動産周辺での開発

不動産周辺でビルや住宅がたくさん建設されると、土地の価格はだんだん上昇していきます。

これは都市近郊でよく見られる現象です。

購入前はまだ開発初期段階で、戸建住宅やマンション、娯楽施設の数も少なく、交通の便も悪かったかもしれません。

ところが街に住む人口が増え、交通機関の発達により不動産が増えるとそうはいかないですよね。
中長期的な変動ではありますが、不動産周辺での開発は不動産売買の適正価格に大きくかかわる要因の1つです。

・要因2:国内外の景気動向

国内外の景気動向も、適正価格の変動要因になります。

不動産は高値で取引される商品であるため、小さな値動きでも取引価格に大きな影響を与えます。

例えば、1980年代後半~1990年代初頭に起こったバブル景気では、土地価格の異常な高騰が起こりました。

また、2008年にアメリカで起きたリーマンショックでは不動産地価が大幅に下落しました。

こうした出来事は日本の不動産価格に多大なる影響を与えます。

・要因3:季節

不動産売買は、売り出しのタイミングが肝心です。

例えば毎年3~4月は新生活が始まる季節です。

転職や転勤、大学への進学などで引っ越しを検討する方が増える時期になります。

同時期から売り出しをスタートしても時すでに遅し。

新年度が始まる前の1月~2月ごろから売り出しを行いましょう。

こうした季節の見極めは、短期的な価格変動のリスクを抑えるのに有効です。

③適正価格を知ることのメリット

売りたい不動産の適正価格、つまり現在の相場を知ることは、不動産売買が有利に進むきっかけとなります。

売却を考えている物件の価格が適正かどうかを大まかに知ることができ、その目安をもとに購入の計画や売却の条件などを見直すべきかどうかリアルタイムで判断できます。

そうして相場を早く知ることは、資金計画などの策定にも役立ちます。

例えば、不動産売却で得た利益を新しい不動産の購入資金に充てる場合は、「いつまでにいくら必要なのか」を購入したい時期から逆算しやすくなります。

これにより、万が一不動産を適正価格で売却できなかった際のリスクヘッジも立てやすいです。

大金が動く不動産の売却で、ゆとりを持った冷静な判断ができると理想通りの売却が実現しやすくなります。

不動産の適正価格を調べる方法

不動産の適正価格は、不動産取引の専門家に算定してもらうことが多いです。

しかし、不動産会社から提示された金額が本当に適正かどうかは、自身でだいたいの価格帯をつかんでみなければ判断できません。

適正価格がどれくらいかのイメージだけでもつかんでおくことは、後悔しない不動産売買のためには大切です。

では、不動産の適正価格はどうすれば調べられるのでしょうか?

ここでは主に以下の4つをご紹介します。

①国土交通省ホームページで調べる
②各市区町村の公的書類で調べる
③国税庁ホームページで調べる
④レインズで調べる

それでは、順番にみていきましょう。

①国土交通省ホームページで調べる

国土交通省ホームページから、公示価格を調べることができます。

公示価格とは、不動産取引や資産評価をするための、価格の客観的な目安となるものです。

一般的に、この公示価格(実勢価格)が適正価格に最も近い価格とされています。

国土交通省ホームページにある『国土交通省地価公示・都道府県地価調査』から調べることができます。

②各市区町村の公的書類で調べる

適正価格の見極めには固定資産税評価額を調べることも有効です。

固定資産税評価額は、所有する土地や建物に課税される税金を計算する際の基準価額です。

公示価格の70%が目安となるため、【固定資産税評価額×1.3】の数値が適正価格に近いと考えることができます。

固定資産税評価額は、不動産の所在地管轄の市区町村から送られてくる「納税通知書(課税明細書)」にて確認できます。

 

出典:『納税通知書について』-新座市ホームページ

③国税庁ホームページで調べる

適正価格の指標の1つである路線価は、国税庁ホームページで調べることができます。

路線価とは、道路に面した土地や建物の評価額のことで、毎年1回見直しされる国の基準にもとづき算定します。

路線価は公示価格の約8割が目安ですので、【路線価×1.2】の数値が適正価格に近いと考えることができます。

国税庁ホームページでの路線価の調べ方は以下の通りです。

1. 価格を調べたい土地がある都道府県・市区町村を選択する

2.「路線価図」をクリックする

3.索引図を開く

「この市区町村の索引図ページへ」をクリックすると、下のような索引図が出てきます。
知りたい場所をマウスでクリックします。

4.路線価図が表示される

路線価図が表示されます。

ただし、調べたい不動産の周辺環境(道路に2面以上面しているなど)によって異なりますので、正確で精密な算定をしたい場合は税理士などの専門家に依頼してみましょう。

④レインズで調べる

適正価格に関する情報をまとめているサイトとして最も便利なのが、レインズ(REINS)です。

これは不動産流通機構が運営している不動産流通標準情報システムのことで、実際に売買が行われた不動産(マンション・戸建などの物件に限る)の成約価格を閲覧することができます。

調べ方は以下の通りです。

1.検索したい条件(建物種種別・都道府県・地域)を選択する

2.「直近1年の取引情報グラフ」や「取引情報一覧」に取引情報が表示される

「追加検索条件」にて条件をさらに絞り込み検索することもできます。

直近1年分のデータであれば一般の方でも閲覧できるため、参考にしてみてください。

適正価格で不動産売却を有利に進めるには?

ここまで、適正価格を知ることの意義や調べ方についてご紹介しました。

では、知り得た適正価格を用いて不動産売却を有利に進めるためにはどうすればよいのでしょうか?

ここでは、適正価格の具体的な活用方法を3つご紹介します。

①不動産売却で支払う税金を計算したい時
②不動産の売却プランを立てる時

①不動産売却で支払う税金を計算したい時

不動産売却の際は以下の税金が発生します。

・印紙税
・登録免許税
・消費税
・譲渡所得税

これらの税額は、実勢価格に基づいて計算されます。

そのため、不動産会社との交渉などにより実勢価格と異なる価格での取引をした場合は、その分課税額が変わる可能性があります。

事前に実勢価格を把握しておくことで、最終的な取引でかかる税額がいくらになるかをシミュレーションでき、売却益を最大化できるかもしれません。

・印紙税

不動産売買契約書の交付の際に必要となる税金が印紙税です。

印紙税は価格ごとに段階的に納税額が決められています。

例えば、不動産の売値が2,000万円の場合、本則税率では2万円、軽減税率では1万円がかかります。

詳しくは国税庁ホームページにある『印紙税額の一覧表』を参考にしてみてください。

・登録免許税

登録免許税は主に抵当権抹消登記の際に課税されます。

この税金は不動産1つにつき1,000円かかります。

・消費税

消費税は仲介手数料に対して課税されます。

その仲介手数料は不動産の売却額で変動するため、実勢価格がわかれば消費税額がいくらかを事前に把握することができます。

・譲渡所得税

譲渡所得税もまた、不動産の売却額をもとに課税されます。

税額は、所有年数によって変わります。

所有年数が5年以内の場合は「短期譲渡所得」、5年以上の場合は「長期譲渡所得」となります。

短期譲渡所得→所得税30.63%+住民税9%=39.63%
長期譲渡所得→所得税15.315%+住民税5%=20.315%

②不動産の売却プランを立てる時

適正価格は、不動産をいつ・どの会社で・いくらで売却するのか等の計画を立てる際にも役立ちます。

例えば売ろうとしている戸建住宅に住宅ローンが残っていたとしても売却自体はできます。

しかし、売却額が住宅ローンの返済合計金額よりも少なければ、赤字となってしまいますよね。

売却に出す不動産が実際にいくらで売れるかを事前に知っておけば、実際の売却時に赤字にならない資金計画を立てることができます。

計画を立てる際は実勢価格も一緒に調べておきましょう。

さいごに

所有する不動産を1円でも「高く売りたい」のであれば、事前に適正価格を把握しておくことが大切になります。

この記事を通して、不動産売却の利益を最大化するお手伝いが出来れば幸いです。

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