不動産鑑定士・飛松先生に聞く「インフレのいまこそ不動産投資」

不動産鑑定士・飛松先生に聞く「インフレのいまこそ不動産投資」

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貨幣価値が下がる中、投資はどうする?

日本人はインフレになると将来を不安視しますよね。不安視した結果、今の1万円が3年後に同じ1万円の価値があるのかというとたぶんない、それならお金を使わずに置いておこう、という発想になる方が多いと思うんです。

ですが、ヨーロッパでは考え方が違うんですね。貨幣で置いておいて損になるのであれば、違うものに代えて置いておこう、という発想になるんです。

違うもの、というのは金であったり株であったりするのですが、その中に不動産も含まれています。

日本では、おそらく富裕層以外の方にはインフレのさなかに現金を不動産に代えておこう、という方はあまりいないのではないでしょうか。

インフレで貨幣の価値は下がるけど、不動産の価値は上がる?

全ての不動産の価値が上がるのかというとそうではなくて、上がるところもあれば下がるところもあるんですね。それは株などでも同じことだと思うのですが。

今の日本でいうと、東京や大阪などの都心部ではまだ価格が上がっているのですが、地方はやっぱり下がっているんです。

だから地方では現金で置いておいても不動産を買っておいても、貨幣価値や不動産価値は同じように下がるので損をするのは一緒という発想になりますが、例えば都心部の土地であれば、私の予想ではここ1,2年は絶対に下がらないと思っています。

 

「証券化不動産」という新しい不動産投資の形

とはいっても、今日明日に職を失うかもしれないという状況下の中で、不動産投資をすることには不安もありますよね。それは不動産投資をすると、すぐには現金化できない、という発想から来るものだと思うんです。

確かに実物不動産、土地を今日買って明日売ります、というのはなかなか難しいところなのですが、「証券化不動産」というものがあります。

これは例えば1億円の価値の土地があるとして、投資家10人で一人1000万円ずつ持ちましょう、というもので、これは株と同じように権利を売ることもできるんです。

だから、明日売りたいと思えば売ることができるんですね。そういう不動産の持ち方もありなのではないかな、と思います。

私は都心の土地は下がらないと考えているので、その通りになれば1000万円で買ったものが20%減の800万円になることはなく、さらに利益が出れば税金はかかりますが利益を手にすることもできます。

換金もできて、さらには持っていることで利益が出る可能性もある。そういう投資もありなのではないでしょうか。

 

「投資をする時に気を付けること」

不動産にはいろいろと投資先があります。マンションに投資する方もいれば、オフィスに投資をする方もいる。先ほどお話しした証券型不動産に投資をする方もいます。

その中で、リスクヘッジのためにいろいろな不動産に投資することが大切ですね。

こちらの価値が下がってもこちらは上がっている、となることでリスクヘッジになるので、一つのものにドンと投資をするのではなくて、リスク分散をすることが重要かもしれません。

僕のお薦めの不動産投資は、以前からお伝えしているように都心部の中古戸建です。その目利きはやはり不動産鑑定士に依頼をするのが一番いいのかな、と思います。

まとめ

・ヨーロッパでは資産を現金で持つのではなく投資をする傾向がある。

・インフレ下においても不動産価値が下がるとは限らない。

・証券化不動産という、リスクの少ない不動産の持ち方もある。

・投資先を一か所にするとリスクが高まるので、分散することでリスクヘッジを。

 

次回のコラムは「企業業績と不動産の関係」

企業の業績と不動産価格。一見関わりのなさそうなこの二つですが、実はしっかりと関係があります。
気になるあの会社の未来も、不動産を見ることでわかるかも……!詳しくお話を伺いました。