U.K.さんに聞く「友達のことあだ名で呼んじゃダメですか?」

U.K.さんに聞く「友達のことあだ名で呼んじゃダメですか?」

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関西ではお馴染みのDJタレント、「関西のたれ目王子」、くっすんことU.K.さん。
今回はU.K.さんに「小・中学校であだ名禁止令!?」というテーマについてお話を伺いました。

U.K.

関西を中心に活動するDJタレント。本名は楠雄二朗、通称「くっすん」。

ラジオを中心に、現在はテレビなどのメディアや音楽イベントの司会などでも大活躍。2015年には守口市 夢・未来大使に就任。活躍の幅を今なお広げ続けている。

 

「くっすん」は小学生からずっと「くっすん」だった!

―U.K.さんの小学校時代のあだ名って何でしたか?

 

U.K.:僕の名前が「楠」なので、「くっすん」です。

 

―小学校から「くっすん」なんですね!

 

U.K.:僕はずーっと「くっすん」です。あとは下の名前から「ゆーちゃん」。親しい人は「ゆーちゃん」ですね。仲良くなりたい人になんて呼んだらいい?と聞かれた時には、もう48歳ですけど「ゆーちゃんって呼んで!」と言ってます。

 

あだ名や呼び捨てが禁止になる時代

―最近、小・中学校においてあだ名、もしくは呼び捨てが禁止になりました。文部科学省が言い出したんですけど、これに関してU.K.さんはどう思いますか?

 

U.K.:僕は反対ですね。

 

―反対ということは、あだ名も呼び捨てもオッケーという立場でしょうか。

 

U.K.:僕はオッケーだと思います。ただし、名前を呼ぶときは下の名前で呼んであげてください。そこがポイントだと思うんですよ。

下の名前で呼ぶことで、相手の個性を認識していることが伝わる

U.K.:名字というのは家族の名前ですよね。ファミリーネーム。

僕自身の名前というのは「楠 雄二朗」の「雄二朗」のところ。ここが自分の個性なんですよね。「楠」は自分の個性ではないんです。

だからこそ下の名前で呼んであげることによって「あなたのことをしっかりと認識していますよ」ということが伝わると思うんですよ。

下の名前で呼ぶメリットがもう一つあるんです。

僕の名前の「楠 雄二朗」って「石原 裕次郎」と響きが似ているので、よくいじられたんです。裕次郎さんは往年の大スターではありますが、僕の世代からはちょっと遠い人なので、子どもだったというのもあると思うのですがすごく嫌だったんですね。

だから自分から下の名前の「ゆーちゃん」って呼んでね、と言っていたんです。

 

コストコで見た世界。自分に好きな名前をつける利点

U.K.:先日コストコに行ったんですけど、店員さんのつけている名札を見たら「スコット」とか「キャサリン」とか「ジェニファー」って書いてあったんです。

おそらく本名とは違うんだろうな、という名前の名札を付けていたんですね。

そうやって自分の好きな名前をあえて付けてニックネームにしたらいいと思うんです。そうすることで素の自分ではない自分を演じられます。

学校などで好きな名前を一度つけても、本名ではなくあだ名なので自分で別に変えてしまうことも後々簡単にできますよね。

 

―ややこしいですけどね、元トムで今はタケシとか(笑)

 

U.K.:(笑) ぼくがいいなと思ったのは、コストコのスタッフさん同士が「オッケートム!」とか言いながらグータッチしていて、とてもフランクに接していたんです。名前も西洋風だし、フランクになれるんですよね。

 

日本の名前、英語表記での思わぬ落とし穴

―「名前」というのは、その人のアイデンティティとしてとても重要だと。

 

U.K.:絶対に重要ですね。僕も子どもの名前をつける時、めちゃめちゃ画数とか調べましたよ……妻が。

上の子には「めい」と名付けたのですが、どういう名前がいい?と聞かれて頭の中に「めい」と浮かんだので、それを付けました。

 

―それは映画の「となりのトトロ」からつけたんですか?

 

U.K.:違います。海外に行った場合、僕の名前は「雄二朗」なので英語表記では「YUJIRO」になるんですが、よく「ユーギロー」とか「ユージャイロ」と言われてすごく嫌だったんですよ。

僕の友達に「ゲン」という名前の子がいましたが、その子もみんなに「ガン」って呼ばれていました(笑)

 

―(笑)

 

U.K.:それで、表記がわかりやすいという点も含めて名前を考えました。

 

「さん付け」で距離感は広がる?

―U.K.さんは海外に留学されていました。海外では目上の方でも下の名前で呼びますね。

 

U.K.:そうですね。

 

―ただ海外でも校長先生や学校の先生には「 Mister」「Miss」を付けますよね。距離感がちょっとある。

これから日本の小・中学校では相手に「さん付け」をするようにとされていますが、「楠さん」「雄二朗さん」という呼び方に変わると、人と人との距離感というのは離れていくのでしょうか。

 

U.K.:僕はうまく繋がらなくなると思うし、演じてしまうと思いますね。

 

―逆に「さん付け」のメリットってなにかあると思いますか?

 

U.K.:嫌なあだ名をつけられてしまった時に、それを払しょくすることが出来るので、いじめを防止することが出来る。

だからこそ僕は、新しく自分の好きな名前をそれぞれつけて呼んでくれ、という仕組みを作ったらいいと思うんです。

新しい名前を自分でつける! U.K.さんが選んだ名前は……?

―あだ名を禁止するのではなく、さん付けの強制でもなく、新しい名前を作ると。

もしU.K.さんが自分に新しい名前を付けるとしたら、なんてつけるんですか?

 

U.K.:そうだな、何にしようかな……。ブラッドでもいいし、トムでもいいし、レオナルドでもいいし。でもやっぱり、僕にとって長年よく聞いた名前である「ジョン」にします!

 

―ジョンですか。 どういう意味なんでしょう。

 

U.K.:僕が初めてやった音楽番組の相棒と言いますか、ご意見番がジョンという犬だったんです。犬というか、犬の格好をしたおじさんだったんですよ。それでずっと「ジョン」っていう名前を聞いていたので、わかりやすくていいと思います。