0円物件が使い方次第でお宝に化けるかも!?
あなたは0円物件という言葉を聞いたことがありますか?0円不動産や無償譲渡物件と呼ばれることもあります。
これらはズバリ、土地・建物の価格が無料の物件を意味しますが、一見すると少し怪しく感じるワードですよね。タダほど高いものはないとも言いますし。
もしかすると、知ってはいるが、その怪しさゆえに手を出さないでいた。という方もいるかも知れません。
しかし、そんな0円物件を手に入れて活用し、悠々自適に暮らしたり、ビジネスに利用したりと、夢のような生活を掴んだ人も存在します。
実際、0円物件には様々な条件やデメリットも存在します。
にも関わらず、あえて貰い受ける理由は何でしょうか?そしてどのように活用し、成功しているのでしょうか?
今回はそんな0円物件とは何か?メリット・デメリットと活用方法について紹介します。
0円物件に興味があるかたはぜひ読んでみてください!
なぜ0円物件が存在する?
近年では特に地方で0円物件が積極的に活用されています。
その背景には、人口減少や少子高齢化があります。
具体的に言うと、人口そのものが減っていることに加え、地方の家を出て都会に住む子どもと同居したり、高齢者が老人ホームや介護施設に移転したりして住む人が減っているのに対し、住宅の戸数は増え続けていることが原因で、空き家が増えているためです。
また、地方から都心部への人口流出もあり、地方の過疎化、空き家の増加は社会問題にもなっています。
建物は人が住まずに放置していると劣化が早まりますし、放火や盗難等の犯罪の温床になりかねない、老朽化により崩壊といった事故の危険も有るなど、空き家はリスクが多いのです。
そのため、一定の要件に該当する危険な空き家は固定資産税の優遇措置を適用しないなどの法改正がなされ、政府としても、空き家を放置しないよう促す流れとなっています。
もう一つは、不動産(建物)は持っているだけで固定資産税や都市計画税、建物維持費などのお金がかかる点がポイントです。
相続の際には相続税がかかるなど、所有しているだけでも発生する出費のことを考えれば、使わないならタダでも手放してしまう方が将来的には出費が少なくなる。という考え方もあるのです。
これらのことから、0円物件が生まれました。
0円物件のメリット
そんな0円物件のメリット、具体的にはどのようなメリットが有るのでしょうか?
●土地・建物がただで手に入る
なんといっても一番のメリットがこれでしょう。
通常、不動産を入手するには多額の費用が必要です。しかし、建物自体にお金がかからないので、浮いた分をその他のことに使うことができます。
たとえば、物件が地方の不便な場所であっても、浮いたお金で車を買ったり、経年劣化の気になる建物でもリフォームしたりと、より自分好みに、快適に暮らすための費用として蓄えることができるのは非常にメリットです。
コロナ禍以降のリモートワーク等の普及もあり、都会に住まなければなければならない理由が薄れてきています。
田舎暮らしに憧れる人にとってはとても魅力的な制度ではないでしょうか。
●自治体の補助が得られる場合も
地方の自治体では人口増加および定住を増やすため、0円物件の活性化や優遇、補助金制度等を用意しているところもあります。
有効利用すれば、さらにローコストで0円物件が活用できることも。
●ビジネス利用もOK
自分が住むのではなく、カフェや民泊などのビジネス利用をするのも一つの手。
地方の0円物件は敷地が広いことが多いので、飲食店などをするにも十分なスペースが確保しやすいでしょう。
0円物件のデメリット
一方で、やはり0円物件ならではのデメリットも存在します。
●契約手続きが煩雑
0円物件の契約は「無償譲渡契約」、あるいは「贈与契約」の契約形式で締結されます。
これらの書類の作成や手続き、司法書士への登記申請依頼など、諸々の手続きは自分で手配する必要があります。
通常の不動産売買では、これらの手続きについては宅建業者が仲介業務の一環として行うことがほとんどですが、0円物件の場合には業者が手数料を受け取りにくいという理由から、関与しないことが多いのです。
きちんとした贈与契約書を準備するには弁護士か司法書士、行政書士のサポートが必要となり、契約書作成費用の目安は5~10万円ほどと言われています。
●建物の不具合についてのリスク
また、0円物件の契約には、住宅の不具合については「前の所有者は一切責任を負わない」という条項が入っていることがほとんどです。
そのため、万が一、居住できないような重大な住宅の瑕疵が発見されたとしても、譲渡人に対して、不具合の修補費用について損害賠償請求をしたり、瑕疵が重大であることを理由に契約を解除することができなかったりする場合があります。
特に、外側からは分かりにくいシロアリなどの虫食いによる柱や床、基礎部分の腐食は、住まいとしての安全性に大きな影響を与えます。
0円物件の取得を考える場合は、こうしたリスクへの対処方法は考えておきましょう。
●税金がかかる
そしてなにより、税金がかかることが一番のデメリットかもしれません。贈与税や登録免許税、不動産所得税、固定資産税、都市計画税など、不動産を所有すると、それだけで発生する税金が増えるのです。
0円物件を手に入れるには?
0円物件を手に入れるには、まずは0円物件(無償譲渡物件)を扱っている自治体を検索し、役場の担当課に連絡してみるのが一番の近道です。
自治体によっては説明会を開催しているところもあります。自治体が運営する「空き家バンク」のホームページ上で物件が紹介されている場合があります。
自治体としては、空き家をなくすと同時に人口の増加も図っておりますので、一定の期間、低額の賃料で賃貸した後に無償で譲渡する。セカンドハウスとしての利用は不可で、住民票を移転すること。等の条件を課している場合もあります。
基本的には、0円物件の購入者自身がそこに定住することを想定した、様々な施策や制度が設けられております。
0円物件の活用方法
上記のように、無償で譲渡するからにはやはり、条件も存在します。しかし、活用方法次第では掘り出し物となる物件も少なくありません。
具体的な活用方法を3つご紹介します。
●シンプルに自宅として
0円物件の用途として最も多いのはやはり自分自身の住居として。
古い住居の独特の柱などは残しつつ、断熱性を高めたり、水回りをキレイにしたりといったリフォームで住みやすさ、機能性を向上しつつ、味のある住宅、自分らしい生活を手に入れることができます。
持ち家になるので、壁を壊して間取り変更や、ペットとの同居なども遠慮なく行えます。
●民泊や飲食店を経営
特にコロナ禍以前は大人気だった古民家旅館や古民家カフェ。
耐震性や断熱性能について、現在の建築基準法に合わせなければならないので、リノベーション費用は多くかかりますが、これからさらにコロナ関連の規制も緩くなり、旅行客も増えれば、ブームの再来も現実味を帯びてきます。
●シェアオフィスを運営
近年はリモートワークが普及し、オフィスや自宅以外の場所で仕事をする人も増えてきました。
通勤に縛られない働き方に憧れつつも、地方への移住までは踏み込めないという人が、パソコンを持って地方へ行き、宿泊して旅行を楽しみつつ仕事をするワーケーションという言葉も生まれたくらいです。
そのような人が地方で一時的に利用するオフィスとして便利なのがシェアオフィスやコワーキングスペース。
テーブルや電源(コンセント)、Wi-Fi環境さえ整えれば、十分に仕事スペースとして使えるでしょう。
他にも様々な活用例がありますが、すべては使い方次第。その土地や物件に合った活用をすることがなにより重要です。
まとめ
0円物件であるからには、場所が不便だったり、建物が古かったりと、必ず何かしらすぐには売れにくい、貸しにくいようなワケがあります。
しかし、土地と建物が無料で手に入るなら、そこで浮いたお金をリフォーム等の修繕費に充てたり、移動手段である車の購入に充てたりと、様々な使い道が考えられます。うまく活用すれば、理想の田舎暮らしや、ビジネス利用による収益も夢ではありません。
そこで重要なのが、その不動産(土地や建物)に合った活用をすること。
せっかく0円で物件を手に入れても、活用できなければ税金が無駄ですよね。
もし0円物件の取得をお考えの際は即決せずに、ぜひ不動産鑑定士に相談してみて下さい。
不動産鑑定士は、ありとあらゆる土地や不動産の価値を鑑定し、売買を見てきた不動産のプロフェッショナル。
その土地が、あなたの思う活用法に適しているかを判断したり、より良い活用法を提案したり、プロの立場から客観的にアドバイスをしてくれます。
もちろん、イマスグ不動産鑑定士ドットコムでもご相談いただけます!
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