1SLDKとはどんな部屋?不動産価値に影響する間取りの考え方を解説!

ちょっと変わった物件でも、使い方次第で不動産価値を高められる!

家を買う時、借りる時、選ぶ基準として重要な要素の一つである間取り。

学生の一人暮らしならワンルームで十分?自炊が多く料理が好きだからキッチンは別が良い?お客さんを招くこともあるから広めのリビング・ダイニングが欲しい?等、部屋の数や種類はまず、最初に考えるポイントではないでしょうか?

では、「1SLDK」の物件がどんな間取りか分かりますか?「S」って何でしょう?

答えは「サービスルーム」の「S」です。と言われてもピンとこない人もいるでしょう。

サービスルームは、実は少し特徴的な間取りなのですが、上手く使えばとても便利で、しかもお得に手に入る可能性があるのです。

今回はこの「サービスルーム」とは何か?というお話から、間取りの考え方、特徴的な物件の上手な使い方と、そんな物件を売ったり貸したりする場合のアピール方法についてご紹介します。

家をお探しの方にとっては、お得に魅力的な物件を見つけるポイントが。家を手放したい方にとってはより早く、より高く売るヒントが見つかる内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。

サービスルームとは?

 

みなさんもLDKは聞き慣れた言葉だと思いますが、そちらからおさらいです。

Lはリビング、Dはダイニング、Kはキッチン。LDKとはリビング・ダイニング・キッチンが同じ1部屋にある間取りを指し、この部屋とは別にもうひと部屋ある間取りを1LDKと言います。

ちなみに、LDKの部屋が8畳以上ある物件のことを1LDKと言い、8畳未満の場合は1DKと言います。広さによっても使い分けがあるのですね。

それでは本題。

S(サービスルーム)とは、建築基準法では居室とされない部屋を指します。

居室とは、人が過ごせる空間ということで、居室とされない部屋(非居室)とは、人が生活するための部屋ではないということになります。廊下やトイレ、風呂場も非居室です。

具体的には、窓が無いなど、採光や換気能力の不足から、基準に照らした場合の住空間とみなされない部屋がそれにあたります。広さは関係ありません。

また、「S」の他に「納戸」や「DEN」と表現されることもあります。

いずれにせよ、そのまま納戸として使ったり、物置やウォークインクローゼットとして使ったり、その名の通り居室ではない使い方をすることを想定されておりますが、実際に住んでみると、寝室などに使っても問題のない空間であることも多いです。

1SLDKと2LDKの違いは?

部屋数としては同じ意味となる1SLDKと2LDKは何が違うのか。

それこそが先程の居室か、非居室か、という違いにあります。1SLDKはLDK+居室が1部屋+非居室が1部屋の計3部屋ということになります。

それに対し2LDKは、LDK+居室が2部屋の計3部屋であることを表します。

2LDKの2部屋は建築基準法上の居室なので、採光・換気能力ともに基準値以上であることが保証されています。

サービスルームは寝室などにも使えなくはない、とはいえ居室としての利用価値は高くありません。そのため基本的には、2LDKより1SLDKの方が家賃は安く設定されていることが多いです。

しかし前述のとおり、居室か非居室かの区別に広さは関係ありませんので、使い方次第では、広々とした空間をお得に手に入れられるのが1SLDKと言えるでしょう。

サービスルームのメリット・デメリット

では、具体的なサービスルームのメリット・デメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

<メリット>

●収納空間として利用

一番大きなメリットは収納が増やせる点ではないでしょうか。

衣替え時の衣服や布団、季節モノや来客用セット、防災グッズ・備蓄など、日常的に使わないが、無いと困るもの、いざという時すぐに出し入れしたいものを収納するには最適な場所です。これらを居室に置くと部屋を圧迫しますよね。

そして、物置部屋として使うなら、採光基準を満たしていないのはむしろ好都合服などの日焼け、保存食などの劣化も抑えることができます。

●テレワーク等の作業部屋に

コロナ禍で一気に普及したテレワークですが、リビングやダイニングでは仕事に集中できないという方も多いでしょう。そんな方の仕事部屋としても使えます。

仕事中の限られた時間ですし、途中で部屋を出ても良いわけですから、多少狭くても、換気が悪くても問題ないかと思います。短時間で集中して取り組む作業部屋としてなら、使いやすいのではないでしょうか。

予備の部屋として作業スペースを作っておくのもありですね。

 

<デメリット>

●温度調節がしにくい

窓自体がない、小さい等の理由で採光・換気の基準を満たせていないのがサービスルーム。同じ理由から、室内の温度調節がしづらいという不安があります。

エアコンも設置できない可能性が高く、季節によってはとても長時間過ごすことはできないでしょう。

●電源が確保できない場合も

テレビや電話回線は設置できない場合が多く、コンセントもないことがあり、そもそもパソコン等を使う仕事場にはしづらいという問題があります。

作業部屋として使うなら、充電してからパソコンを持ち込む、電源の要らない作業だけするなどの工夫が必要でしょう。

サービスルーム使い方アイデア

メリット・デメリットそれぞれあるサービスルーム、どのような使い方が適しているのでしょうか?そのアイデアとポイントを3つ紹介します。

●クローゼットとして

シンプルに収納として使う方法で、一番一般的かつ便利な使い方だと思います。

ただ、設備としての押し入れやクローゼットではないため、棚やパイプハンガーなどの収納アイテムは備わっていない場合が多いです。

収納するものに合わせた家具や収納グッズを揃える必要があるのはデメリットでもあり、自分で好きなもの、収納したいものに合わせたアイテムを配置し、自由に収納を計画できるのはメリットでもあります。

●パントリーとして

パントリー(食料倉庫)としても使い勝手が良いでしょう。

災害に備えた非常食や飲料水のほか、自家製のジャムや梅干し、梅酒や味噌作りなどをされている人は、それらの瓶など大きな入れ物もそのまま収納可能です。

直射日光が入りづらい環境であることは、保存食や備蓄品を蓄えておくにはちょうどよいスペースです。

●書斎として

直射日光が入りにくいということは、本が日焼けしにくく、書斎に最適な空間でもあります。

ある程度の広さがあれば、机や椅子も置いて隠れ家的な使い方をすることも。ただし、換気能力の不足から湿気がこもりやすいので、カビには注意が必要です。

間取りを活かした活用法で物件の魅力向上!

ここまでは住む人の視点でサービスルームを見てきましたが、こうした部屋のある物件を貸す人、売る人にとっては何か特徴があるのでしょうか?

よくある1LDKは賃貸には人気ですが、購入となると人気のない間取り。

その理由は、リビング以外に1部屋しかなく、必然的に寝室が一つとなり、ファミリー向けではないからです。

一人暮らしや新婚夫婦にとっては魅力的な間取りですが、独身者は不動産の購入自体が現実的ではありませんし、新婚夫婦も購入するなら将来のことを考えた広い間取りを検討するので、購入までには至りにくいのです。

そう考えると、売却には2LDK以上の間取りが理想ということになります。

では、1SLDKはどうでしょう?

これもリビング・ダイニング以外の居室は1部屋のため、ファミリー向けとは言いづらいでしょう。

しかし、前述のようなメリットや活用法があるサービスルームがあるのと無いのとでは大違い。

特に子どものいない夫婦二人暮らしにピッタリの間取りではないでしょうか。

収納や趣味の部屋に使えたり、場合によっては寝室にも使えたりする予備の部屋は、大人の二人暮らしには便利で魅力的に映るでしょう。

さらに2LDKより手頃な価格にできれば、特定のターゲットにとっては非常にメリットの多い物件となります。

貸すにも売るにもターゲットを絞り込み、先程の使い方アイデアも参考に、物件の魅力をうまくアピールした広告ができれば、借り手・買い手が付きやすくなるのではないでしょうか。

まとめ

1SLDKに限らずどんな不動産も、その間取りや物件の特徴を活かした使い方・売り方(貸し方)ができれば、その価値を最大限に引き出すことができるでしょう。

そんな不動産の活用方法、もし誰かに相談したいと思ったら、ぜひ不動産鑑定士に相談してみて下さい。

ありとあらゆる土地や不動産を知り尽くしたプロなら、より良い活用法を見つけ出してもらえるかもしれません。

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