相続した土地の価格はいくら?調べ方や活用法も解説します

相続した土地を売りたい時、実際どれくらいの価格で売れるのかとても気になりますよね。

土地の価格を知るためには、その調べ方はもちろんのこと、土地の価格が決まる要因をきちんと把握しておく必要があります。

シーンやタイミングによって実際の利益は大きく変わるためです。

この記事では、相続した土地の価格の決定要因やその調べ方、メリットについて解説します。

親が亡くなり土地を1年前に相続した。売却を考えているがいくらで売れるか大体でも良いから知りたい」そんな方はぜひご覧ください。

相続した土地の価格が決まる要因

相続した不動産の価格は、大きく分けて以下の2つで決まってきます。

①土地の立地や周辺環境
②土地自体の形状

①土地の立地や周辺環境

相続した土地の立地や周辺環境は、価格が決まるうえで最も重要といっても過言ではありません。

例えば、駅から徒歩10分圏内で、近くに騒がしい物件がない土地は、利便性や周辺環境が整っており価格が高くなりやすいといった特徴があります。

特にアクセス面は重要です。

駅やバス停などの公共交通機関でのアクセスが良いことは、土地のエンドユーザーにとって重要な判断基準となるため高値になりやすいです。

また、駐車場が近くにあったり、車を停めて短時間の荷降ろしろができるような道幅が土地周辺にあるかなども大切です。

加えて治安が良く、騒音が少ない住宅街の中にある土地も同様です。

ただし、周辺に過激な政治団体や反社会的勢力の事務所がある場合などは土地の価格が下がりやすいので注意が必要です。

以下のチェックリストも参考に、自身が相続した土地の立地や周辺環境に高値が付きそうか検討してみましょう。

【チェックリスト】
・駅やバス停から近いか
・雰囲気が明るいか
・買主の目に留まりやすいエリアに存在するか(都市部近郊など)
・前面道路の車通りは多いか
・治安は良いか
・周りの音やニオイは気にならなか
・越境物はないか
・風通しは良いか
・駐車はしやすいか
・隣家との境界は確定しているか
・周囲に嫌悪される組織の事務所などがないか

②土地自体の形状

土地自体の形状が整っているかどうかも重要なポイントです。

もちろん広さも重要ですが、いわゆる整形地と呼ばれる形状の土地は、価格が高くなる傾向にあります。

逆に複雑な形をしていたり、飛び地で変形している土地の場合は価格が下がりやすいです。

「相続してから3年以上放置している…」という土地はありませんか?

所有年数問わず、土地が荒らされていたり、周辺の開発により土地の形状が変わってしまう可能性はあります。

いざその土地を取引に出すとなった時に、思い通りの価格で売れなかったと後悔したくありませんよね。

相続した不動産が、辺がまっすぐな正方形や長方形の形状かどうかなどを確認しましょう。

相続した土地の価格を調べる方法

相続した土地の価格は、「公示価格」「実勢価格」「路線価格」「固定資産税評価額」の4つで判断できます。

いずれも民間の不動産会社が独自に設けたものではなく、公的な指標となります。

①公示価格で調べる
②実勢価格で調べる
③路線価格で調べる
④固定資産税評価額で調べる
⑤取引事例で調べる

①公示価格で調べる

公示価格とは、不動産取引や資産評価をするための、価格の客観的な目安となるものです。

これは法律(地価公示法)よって定められたものであり、毎年1月1日に全国で決定される価格です。

公示価格は、国土交通省ホームページにある『国土交通省地価公示・都道府県地価調査』から調べることができます。

1.上記URLより該当する地域をクリックする

2.検索条件を指定する

3.公示価格が表示される

②固定資産税評価額で調べる

固定資産税評価額とは、固定資産税など税額を計算する際の基準となる価格のことです。

これは固定資産税の他、都市計画税や不動産取得税、登録免許税の計算にも使われます。

固定資産税評価額は各市区町村が3年に1度算定を行い、公示地価の70%の金額となるよう調整されているのが大きな特徴です。

・固定資産税の課税明細書で確認する

固定資産税の課税明細書は、文字通り所有する不動産の固定資産税の金額が記載された書類です。

各市区町村から届く納税通知書に添付されており、「価格」の欄に記載されているのが固定資産税評価額になります。

画像引用:『課税明細書の見方について』-野々市市

・固定資産課税台帳で調べる

固定資産税課税台帳は役所が管理する公的書類の1つで、

・固定資産税の課税対象となる不動産についての所在
・その不動産の所有者
・固定資産税評価額

などが記載されています。

また、評価額の確認には閲覧申請が必要となります。

各自治体のHPから申請書様式をダウンロードし、記入をしましょう。

なお、閲覧には本人確認書類と閲覧手数料300円がかかるため注意しましょう。

③路線価格で調べる

路線価格路線価)とは、路線道路)に面する不動産の1㎡あたりの価額のことです。

毎年7月~8月頃に、国税庁がその年の1月1日時点における主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を発表します。

発表された路線価は、その年に生じた相続税や贈与税などの計算に用いられます。

路線価格は、先ほど述べた公示価格のおよそ8割とされています。

なお、路線価格の計算には「路線価方式(道路に面している場合)」が「倍率方式(道路に面していない場合)」が用いられます。

<路線価格の調べ方>
1. 価格を調べたい土地がある都道府県・市区町村を選択する

2.「路線価図」をクリックする

3.索引図を開く

「この市区町村の索引図ページへ」をクリックすると、下のような索引図が出てくる。
知りたい場所をマウスでクリックします。

4.路線価図が表示される

路線価図が表示される。

「1140C」「920C」などの番号はすべてその土地の評価額を表している。

④実勢価格で調べる

実勢価格は、売り手と買い手の間で需要と供給が釣り合う価格のことを指します。

例えば、マンションが1,000万円で売りに出され、取引が終了した時の価格が3,000万円だった場合は、2,000万円が実勢価格になります。

これは対象の不動産が実際に市場で取引されている価格となります。

そのため、取引前に価格を知りたい場合は、先ほど述べた評価基準をもとにある程度実勢価格を予想することになります。

実勢価格は、国土交通省ホームページの土地情報総合システムから調べることができます。

1.「不動産取引価格情報検索」をメニューから選ぶ

2.該当する地域を検索条件で絞り込んでいく

3.不動産取引価格情報を検索する

⑤取引事例で調べる

公的な基準以外にも、実際の取引事例を見ることで、相続した土地の現在の価値をある程度把握することができます。

取引事例の検索には、レインズ(REINS)を利用するのがおすすめです。

これは不動産流通機構が運営している不動産流通標準情報システムのことで、実際に売買が行われた不動産(マンション・戸建などの物件に限る)の成約価格を閲覧することができます。

調べ方は以下の通りです。

1.検索したい条件(建物種種別・都道府県・地域)を選択する

2.「直近1年の取引情報グラフ」や「取引情報一覧」に取引情報が表示される

「追加検索条件」にて条件をさらに絞り込み検索することもできます。

直近1年分のデータであれば一般の方でも閲覧できるため、参考にしてみてください。

相続した土地の価格を知り、不動産取引を有利に進める方法

相続した土地の価格を知ることで、不動産取引を有利に進めることができます。

知り得た土地の価格は、以下2つの場面で活用できます。

A)相続した土地を高値で売りたい時
B)売却にかかる税金を節税したい時

A)相続した土地を高値で売りたい時

相続した土地を少しでも高値で売りたい時は、その土地の価格を事前にある程度把握しておきましょう。

相続した土地の売却は、不動産会社に依頼するケースがほとんどです。

その際、不動産会社によって仲介手数料などの売却にかかる費用が多少異なってきます。

利益を考慮しない客観的で公正なその土地の価格を事前に把握しておけば、不動産会社への依頼費用や売却益が適正なものであるかを判断することができます。

複数社に土地価格の査定を依頼する場合も有効ですが、先ほどのような膨大なデータに裏打ちされた土地価格の指標を用いればより無難な売却が可能と考えられます。

B)売却にかかる税金を節税したい時

相続した土地を売却する際、「譲渡所得税」という税金がかかります。

譲渡所得税は、土地や建物などの不動産を譲渡することで得た利益のことです。

譲渡所得は以下の計算式で求められます。

譲渡所得=譲渡価額-取得費-取得費に加算する相続税額-譲渡費用

式中の「譲渡価額」の数字が大きければ大きいほど、譲渡所得の金額は小さくなり、その分課税金額も少なくなります。

つまり、相続した土地の金額を知り高値での取引を実現すれば、譲渡所得税の節税ができる可能性があるということです。

間接的なやり方ではありますが、活用するに越したことはありません。

また、譲渡所得税の税率は、不動産の所有期間に応じて変わります。

・5年以上=長期譲渡所得:20.315%(約20%)
・5年未満=短期譲渡所得:39.63%(約39%)

したがって、土地の所有年数が5年以上歩かないかで、約20%も税率が変わってくるのです。

相続した土地をもう何年間も放置しているという方は、いざ売るときに備えて所有年数だけでも把握しておきましょう。

さいごに

相続した土地の価格を知ることで、余計なコストを抑え、高い価格での取引が実現できます。

せっかく相続した不動産ですし、その価値を正しく知り、この記事を参考に有効活用してみましょう。

とはいえ、自分で調べただけでは適正価格で売れるか不安」という方は、イマスグの『不動産鑑定士ドットコム』をぜひご活用ください。

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