「不動産を1円でも高く売りたいが、所有する不動産に本当に価値があるのかわからないから不安」とお悩みではありませんか?
本当に価値があるかどうかは、その不動産の資産価値からうかがい知ることができます。
資産価値は、その不動産自体がもつ金銭的価値のことです。
不動産の資産価値をある程度理解しておくことが、不動産の取引を成功させるためには必須になります。
また資産価値は、築年数や立地周辺の環境、瑕疵(傷や汚れなどの欠陥)などのさまざまな要因によって決まります。
この記事では、不動産の資産価値に関する基礎知識や価格の動向、資産価値を調べる方法などについて徹底解説します。
不動産の資産価値に関する基礎知識
ここでは、不動産の金銭的価値の指標となる資産価値の実態を紐解いていきます。
②不動産の資産価値を決める要因
③不動産の資産価値のこれから
①不動産の資産価値のこれまで
まずは不動産の資産価値が近年どのように変化しているのかをみていきましょう。
資産価値の推移は、不動産価格指数の推移をもとに把握することができます。
不動産価格指数とは、不動産市場の動向を表す指数のことで、国土交通省が毎月公表しています。
不動産価格指数の推移をみることで、その時々の不動産取引がどれくらい活発なのかも把握することができます。
以下のグラフは、2023年1月31日付で公表された不動産価格指数の推移です。
出典:『国土交通省 不動産価格指数-令和5年1月31日公表資料』
グラフをみてもわかるように、マンション価格の上昇率が他の不動産と比べて格段に高いですよね。
これは都心部を中心に新築マンションの価格上昇が著しいためです。
人口が都市に集中したり、ウッドショックにより新築マンションの価格が高止まりしたことなどが要因となっています。
また、戸建住宅の価格も上昇傾向にあります。
これは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いテレワークが一般化し、部屋数にある程度ゆとりがある一軒家へのニーズが増加したことが要因と考えられます。
2022年にはバブル時(1990年代)の平均不動産価格を超えていることからも、不動産価格は今後ますます加速していくと考えられます。
②不動産の資産価値を決める要因
ではなぜ、不動産価格は上がったり下がったりするのでしょうか?
不動産の資産価値を決める要因は「経済的要因」と「社会的要因」の2つがあります。
1.経済的要因
・海外の不動産投資家による買い占め
・金融緩和によるマイナス金利政策
・大規模な自然災害
例えば2011年3月に日本で発生した東日本大震災。
この災害による影響を大きく受けたのは東北地方だけでなく、全国規模の不動産市場も同じです。
被災地への復興支援で全国各地から建築資材や人材が被災地に集中したことで、建築資材や人手不足が深刻化しました。
これにより、マンションや戸建住宅を新築する際にかかる建築資材や人件費が高騰し、結果的に不動産価格の上昇を招いたと考えられます。
災害大国と呼ばれる日本では、大規模な自然災害による不動産の資産価値の上昇は起こる可能性が高いといっても過言ではないでしょう。
・海外の不動産投資家による買い占め
インバウンド需要で海外から大勢の観光客が日本に訪れた際、日本にある不動産そのものや不動産価格の上昇に魅力を感じ、不動産の買い占めが起こる可能性はあります。
そうすると当然、不動産価格は上昇します。
・金融緩和によるマイナス金利政策
金融緩和によりマイナス金利政策が行われると、住宅ローンの金利が下がることになるため、住宅の購入者が増加します。
こうした政府の金融政策によって不動産価格の上昇につながることも考えれらます。
2.社会的要因
・地方都市での再開発
・大規模なイベントの開催
例えばオリンピックの開催が決定すると、開催に向けて開催地周辺のインフラ整備が行われる他、都市機能自体を強化する動きも活発化します。
こうした全体的な動きが、不動産価格の上昇につながると考えられます。
・地方都市での再開発
地方都市での再開発により、ショッピングモールなどの大型商業施設の建設が増えます。
こうした地方経済を活性化する動きによって人が集まり、施設自体にブランド価値が付くなどの理由から不動産価格の上昇につながる可能性があります。
③不動産の資産価値のこれから
2023年以降は、不動産の資産価値はさらなる変動期を迎えることが考えられます。
その要因の1つに、例えば「物価上昇」があります。
日本国内では一昨年の2021年より不動産関連の物価上昇が始まっています。
先ほど述べたウッドショック(輸入木材の価格上昇)がその原因と考えられます。
中国やアメリカなど、木造住宅の建設需要が高まった国への建築用木材の輸出量が増えました。
これにより、日本国内での木造住宅の建築費も高くなりました。
ここにロシアのウクライナ侵攻などの社会情勢の急激な変化も重なり、不動産価格の上昇を招く可能性はますます高まってきているといっても過言ではありません。
資産価値が下がりにくい不動産とは?
では、資産価値の高い不動産を見破る方法は何なのでしょうか?
ここでは、資産価値が下がりにくい不動産の特徴を5つ、ご紹介します。
②デザイン性がある
③利便性が良い
④管理やメンテナンスが行き届いている
⑤人気のエリアである
①所有年数が比較的浅い
例えば木造の戸建住宅の場合、築25年~30年程度では資産価値がゼロに等しいといわれています。
築年数や所有年数が短ければ短いほど、その不動産の資産価値は高くなります。
②デザイン性がある
不動産の周辺環境に合ったデザインや、幅広い年齢層に親しみのあるデザインの不動産は資産価値が高いです。
また、土地の場合、土地の形状などが資産価値の決定に大きく関わってきます。
例えば、成形された土地であれば需要があり資産価値が高いといえます。
③利便性が良い
駅から比較的近い距離にある不動産や、主要都市までのアクセス、入居者が立ち寄れる商業施設が近い等々…
利便性が良い不動産は資産価値がおのずと上昇します。
④管理やメンテナンスが行き届いている
例えばマンションの場合、オーナーや管理会社によるメンテナンスが行き届いているかどうかが重要になります。
物件や土地の老朽化・荒廃化を防止することができ、資産価値の上昇につながります。
⑤人気のエリアである
対象の不動産が人気のエリアであればあるほど、その資産価値は高くなります。
例えば、周囲の治安が良ければファミリー層の居住が増え、不動産価格が上昇するでしょう。
不動産の取引を検討する際は、これらの特徴と、先ほどご紹介した経済情勢・社会情勢を踏まえたうえで不動産の資産価値をある程度正しく把握することが大切になります。
不動産の資産価値を調べる方法
ここまで、不動産の資産価値を決める要因について解説しました。
後悔のない不動産取引を実現するためには、資産価値の変動リスクを避けたり、むしろそのリスクをうまく利用できるかどうかが大切であることが分かったかと思います。
しかし、現在の資産価値が取引る方法を2つ、具体例を交えてご紹介します。
②取引事例比較法で計算する
①収益還元法で計算する
収益還元法は対象の不動産が将来生み出せる収益から、現在の不動産の資産価値を計算する方法です。
計算式は以下の通りです。
不動産価格(収益価格)=1年間の純収益÷還元利回り
・1年間の純収益:年間の不動産収入から、経費(管理費等)を差し引いた金額
・還元利回り:対象の不動産から回収できる1年間の利益の割合
では、具体例をみていきましょう。
・年間経費:30万円
・利回り:4%
このとき、1年間の純収益は
20万円×12か月-30万円=210万円
となります。
したがって、この場合の不動産価格は
210万円÷4%=5,250万円となります。
②取引事例比較法で計算する
過去の同様な取引事例を活用して対象不動産の資産価値を求めたい場合は、取引事例比較法を活用します。
では、具体的な計算方法をみていきましょう。
例えば、以下のような土地があったとします。
・今回の対象物件:専有面積 100㎡
まず、この不動産の1㎡あたりの価格は
6,000万円÷300㎡=20万円/㎡
となります。
今回、対象不動産の専有面積は100㎡なので、
100㎡×20万円=2,000万円
つまり、査定価格は2,000万円となります。
さいごに
不動産取引をするにあたって、自身で所有する不動産の資産価値を把握することは非常に大切です。
不動産の資産価値はさまざまな要因が絡み合い決定されます。
今回ご紹介した基礎知識や客観的な指標をもとに、本当に取引する価値のある不動産かどうかの判断に役立てていただけると幸いです。
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