不動産の評価額を調べるには?4種類から計算方法までまとめて解説!

「マンションを売却したいけど、一体いくらで売れるんだろう?」「どうして固定資産税がこんなに高いの?」こうした疑問をお持ちではないでしょうか?

実は、こうした不動産の価格や税額は「不動産評価額」という基準によって決められています。

不動産評価額には主に4種類あり、それぞれ所有する不動産の種類や立地、周辺環境など様々な条件によって算定される金額は大きく異なってきます。

この記事では、不動産評価額の種類やその計算方法についてご紹介します。

NO.1:固定資産税評価額

①固定資産税評価額とは

固定資産税評価額とは、固定資産税など税額を計算する際の基準となる価格のことです。

これは固定資産税の他、都市計画税や不動産取得税、登録免許税の計算にも使われます。

固定資産税評価額は各市区町村が3年に1度算定を行い、公示地価の70%の金額となるよう調整されているのが大きな特徴です。

②固定資産税の計算方法

では、固定資産税の具体的な計算方法をみていきましょう。固定資産税評価額は【公示地価×70%】で計算できます。そこに一定の税率をかけることで、実際に支払う固定資産税を計算することができます。

【固定資産税の計算方法】
固定資産税額 = 固定資産税評価額(課税標準額) × 標準税率(1.4%)
※標準税率は市区町村によって異なる

例えば、新築5,000万円の家の場合、固定資産税評価額は

5,000万円×70%=3,500万円

つまり、固定資産税は

3,500万円×1.4%=49万円

となります。

固定資産税額は

・市区町村ごとに標準税率が異なる
・固定資産税評価額が3年に1度替わる

ことから、土地の時価や所有する不動産ののエリアが大きく関係しています。

したがって、自身が売りたい不動産の所在地とタイミングを見誤らないよう気をつけましょう。

③固定資産税評価額の調べ方

固定資産税評価額は、固定資産税に関する書類から確認することができます。

・固定資産税の課税明細書で確認する

課税明細書は、所有する不動産の固定資産税がいくらになるのかが記載されています。

各市区町村から届く納税通知書に添付されており、「価格」の欄に記載されているのが固定資産税評価額になります。

画像引用:『課税明細書の見方について』-土岐市

・固定資産課税台帳で調べる

固定資産税課税台帳には、固定資産税の課税対象となる不動産についての所在や所有者、そして固定資産税評価額などが記載されています。

公文書となるため、評価額の確認には閲覧申請が必要です。

各自治体のHPから申請書様式をダウンロードし、記入をしましょう。

本人確認書類と閲覧手数料300円も忘れず用意をし、不動産の地元の役所にて申請手続きをすれば閲覧できます。

NO.2:路線価

①路線価とはなにか

路線価とは、路線(道路)に面する不動産(宅地)の1㎡あたりの価額のことです。

毎年7月~8月頃に、国税庁がその年の1月1日時点における主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を発表します。

発表された路線価は、その年に生じた相続税や贈与税などの計算に用いられます。

②路線価の計算方法

路線価は道路からの奥行や区画によって変動する特徴があります。

そのため、不動産の所在地に関する情報を事前にある程度正確に把握しておく必要があります。

計上の際、「奥行価格補正率」と「側方路線影響加算率」を区画別に加味して評価額を算出します。

そうして生じる評価額の差を計算に反映するために、この2つの補正率が使われます。

どちらも国税庁HPより確認できます。

それでは、ケース別に計算方法をみていきましょう。

A)不動産の一方のみが道路に面している場合
B)不動産の正面と側面が道路に面している場合

A)不動産の一方のみが道路に面している場合

【計算式】
評価額=路線価×奥行価格補正率×地積

不動産の一方のみが道路に面している場合は、「奥行価格補正率」を使用します。

ここでは、奥行20m×30mの土地で考えてみます。

計算例
・不動産の土地面積:600㎡(20m×30m)
・路線価(奥行20m):200千円
・奥行価格補正率:0.98

すると、200千円×0.98×600平米=117,600千円。

つまり、評価額は117,600千円(1億1,760万円)になります。

B)不動産の正面と側面が道路に面している場合

【計算式】
評価額={(正面路線価×奥行価格補正率)+(側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)}×地積

不動産の2面以上が道路に面している場合は、「奥行価格補正率」と「側方路線影響加算率」の両方を使用します。

まずは奥行価格補正率を決めていきます。

・不動産の土地面積:1,200㎡(30m×40m)
・路線価①:300千円
・路線価②:500千円

の土地があったとします。

このとき、まずはどちらの道路を正面(メイン)の路線価として計算するかが重要になります。

路線価×奥行補正率を計算し、数値のより高いほうを正面とするのがポイントです。

・路線価①(奥行20m):300千円×0.98=294千円
・路線価②(奥行30m):500千円×0.96=480千円

したがって、より数値の高い路線価②が正面、路線価①が側方となります。

次に「側方路線影響加算率」を決めます。

国税庁HPより、調べたい不動産がどのような区画に存在するかを調べましょう。

今回は「ビル街地区」にある角地の不動産と仮定し、側方路線影響加算率0.07」を計算に使用します。

・側方路線影響加算率:0.07(角地)
・地積(不動産の面積):600平米

これで計算に必要な数値が全て出揃いました。

では、先ほどの計算式に当てはめて計算してみましょう。

{(500千円×0.96)+(300千円×0.98×0.07)}×600平米=32,100千円

つまり、32,100千円がその不動産の評価額となります。

③路線価の調べ方

路線価は、国税庁HPから調べることができます。

以下の手順に沿って調べてみましょう。

1. 価格を調べたい土地がある都道府県・市区町村を選択する

2.「路線価図」をクリックする

3.索引図を開く

「この市区町村の索引図ページへ」をクリックすると、下のような索引図が表示されます。

ここから、知りたい場所をマウスでクリックします。

4.路線価図が表示される

路線価図が表示されます。

「1140C」「920C」などの番号はすべてその土地の評価額を表しています。

NO.3:基準地価・公示地価

売主と買主の双方が納得のいく土地の取引を行うには、客観的な指標をもとに決めることが大切になります。

基準地価」と「公示地価」はその指標となり、土地の適正価格を知るための参考にもなります。

ここでは基準地価と公示地価の違いや、価格の調べ方について解説します。

①基準地価と公示地価の違いとは

基準地価と公示地価の違いは主に3つあります。

・算定主体の違い

基準地価は各都道府県が、公示地価は国土交通省が行います。

例えば、基準地価は個人や企業が一般的な土地の取引を行う際に活用できますし、公示地価公共事業用地に関する価格算定にも使える指標となります。

・価格の決め方の違い

評価額の算定は各算定主体が選任した不動産鑑定士によって行われます。

基準地価の場合、1地点につき不動産鑑定士1名が付きます。

公示地価の場合は1地点につき2名以上の不動産鑑定士が付く形になります。

・対象となる区域の違い

例えば基準地価は、都市計画区域外の不動産も評価対象になります。

公示地価の場合は、都市計画区域内(不動産の取引が予想される区域)の不動産のみが対象となります。

②基準地価・公示地価の調べ方

どちらも、国土交通省HPにある「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」にて調べることができます。

ここでは、所有する土地が存在するエリアの標準価格を知ることができます。

検索条件を入力すると、所有する土地がある市町村内の全ての公示価格が表示されます。

そこからさらに、基準地価を調べたい地域を地名を探して絞り込むと「価格(円/m2)」の欄に数字が表示されます。

NO.4:実勢価格

①実勢価格とはなにか

実勢価格は、対象の不動産が実際に市場で取引されている価格のことを指します。

例えば、マンションが2,000万円で売りに出され、取引が終了した時の価格が4,000万円だった場合は、2,000万円が実勢価格になります。

②実勢価格の計算方法

先ほど述べたように、実勢価格は取引終了時の価格‐実際に売りに出された価格で求められます。

より正確な数値を知りたい場合は、以下の計算式を使ってみましょう。

【実勢価格の計算方法】
実勢価格=路線価による土地の評価額×0.8×1.1(または1.2)

例えば、路線価による不動産の評価額が1,000万円のとき、1,000万円×0.8×1.1=880万円
となり、880万円がその不動産の実勢価格となります。

③実勢価格の調べ方

実勢価格は、国土交通省ホームページの土地総合情報システムから調べることができます。

1.「不動産取引価格情報検索」をメニューから選ぶ

2.該当する地域を検索条件で絞り込んでいく

3.不動産取引価格情報を検索する

例えば「東京都」「杉並区」「高円寺南」と地域を絞り込むと、上の画像のように検索した地域の実勢価格が表示されます。

さいごに

不動産評価額が決まるしくみを理解することで、「せっかく不動産会社に依頼したのに高く取引できなかった」などの後悔をせずに済みます。

それでも「不動産価格の適正評価をどこに依頼すればよいかわからない」とお困りの際は、イマスグの『不動産鑑定士ドットコム』をぜひご活用ください。

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