奥が深い不動産投資の世界

今、将来への備えとして様々な投資や資産運用をしている方が増えていますが、あなたは何かお金の運用、していますか?

近頃は大幅な円安があったり、大手暗号資産会社の破産があったりと、金融資産は大きく荒れることが多かったため、改めて現物資産が見直されています。金やダイヤモンド、美術品などは、価値の変動はあれど、ゼロになるリスクは極めて低いことが一因でしょう。もちろん、実態があるからこそのリスクもありますが。

そんな現物資産の中でも今、最も注目されているのが不動産。不動産投資なんていまさら?と思われるかもしれませんが、昔からあって今も続いている、いわば老舗の投資商品。長く続くには理由があります。今回はそんな不動産投資について詳しく見ていきましょう。

不動産投資とは?入門編

不動産投資とはその名の通り、マンションや一戸建て、店舗などの不動産を運用する投資商品です。一番分かりやすい例で言うと、アパート1棟を持っている大家さんが各部屋を賃貸物件として貸し出し、その家賃収入で利益を得るというもの。土地ごと持っていれば、あとは建物の維持管理をし、住人さえ絶やさなければ家賃がまるごと収益になります。また、建物ごと相続し、家賃収入を受け継ぐことも出来るのです。

他には、投資用マンションの1室を買い取ってオーナーとなり、その部屋の家賃収入を得る方法や、複数の投資家からの出資を集めて一つの物件に投資する不動産特定共同事業等もあります。

全てに共通しているメリットは、基本的に家賃が収益となるので、定期的に安定した収入が得られる可能性が高いことと、住居(店舗)という特性上、その価値が急落する事態にはなりにくいこと等が挙げられます。

反対にデメリットは、空き家(空室)が出てしまうと、当然家賃収入も無くなることと、維持管理に費用や労力が必要なことでしょうか。

しかし、上記のデメリットに関しては、不動産管理のプロである不動産会社や管理会社にお任せすることもでき、費用や効率を見ながら対策を打つことは可能です。

あとは、戸建てやマンションのオーナーになるには、やはりそれなりの所得がなければローンがまず組めないという問題がありますが、不動産特定共同事業なら1口数十万円程度から出資・運用が可能など、不動産投資にも様々な層が参入しやすい商品が数多く出てきています。

オーナー≒大家さん?

オーナーも大家さんも意味としてはどちらも、その物件の所有者を指しますが、入居者目線で見ると、大家さんと言う方が身近な存在に感じられるかもしれません。

オーナーという言葉は、どちらかというと、その物件を売る不動産会社側から見た言い方という感じがしませんか?というのも、物件の所有者ではあるが、その管理や家賃の回収業務などはすべて管理会社がやっているという場合、借り主は貸し主に会うことがありません。今はこのパターンの方が多い気がしますが。

そうではなく、例えば貸し主自らがその物件に住んでおり、掃除も、ちょっとしたメンテナンスも家賃回収も全部自分でやっている場合、住民とすごく距離が近くなります。私の中では、前者がオーナー、後者が大家さんというニュアンスかな、という気がしています。

それがどう不動産投資に関係するのか?それは入居率ではないでしょうか。

私は以前、1年程だけ東京に住んでいたのですが、その際のアパートが上記のような「大家さん」で、家賃も毎月直接払いに行くスタイルでした。今時珍しいですよね。でも、払いに行く度にお菓子やらミカンやらを頂いて、時には大家さんのおうちでお茶をするなんてことも。そんな感じなので、そのアパートは住民みんなが顔見知りで関係も良く、まるで第2の実家のようでした。引っ越すのもとても寂しかったですが、私が退去した後もすぐ、次の入居者が決まったそうです。また、私が入居した時も、水回りのリフォームをして入居者募集をした直後だったのだとか。それだけの人気物件になるのは、もちろん立地や、リフォームによるお部屋の良さもあると思いますが、何より大家さんのお人柄がそうさせているように思えてなりません。現に、他の住民さんは何十年とそこに住み続けていらっしゃいましたし、居心地の良さは、入居率に大きく関わるのではないでしょうか。

そういった点では、自身がその物件に住むこともなく、住民と一切接しないオーナーさんは、住み心地を感じることもないし、住民の声を聞くこともないので、住民ファーストとは言いづらいかもしれません。ただ、管理会社に任せることは決して悪いことではなく、プロ目線できちんと管理してくれるので、損壊や故障、劣化など、物件そのものに関することへの対応では安心ですよね。人間関係が面倒に感じる人も少なくないですし。

どちらが良いということではないのですが、不動産投資をやるからには避けて通れない入居率や空室リスクへの対策方法は、オーナーさんと大家さんでそれぞれ変わってくるでしょう。不動産投資、ただ家を貸して家賃を得る、という単純なものではなさそうです。

どんな不動産を選ぶべきか?

不動産投資をしようと思ったらまず出てくるのは、新築か中古か?という問題。私は間違いなく中古をオススメします。なぜなら新築物件は、最初は人気もあり、家賃も高く取れるでしょうが、ある時点を境に、物件そのものの価値がガクンと落ちます。新築と言えるか言えないかで大きな差が出るのです。それに対して中古物件は、はじめから中古なりの価格のため買いやすく、また、そこからの価値の下落も緩やかです。最初からそれなりの家賃設定にしかできませんが、きちんと維持管理をしていれば、そこからさらに家賃を下げることは無く運用を続けられるでしょう。長く安定した収入が見込めます。

ただ、中古物件では立地がものすごく重要です。中古で、場所も不便で、では中々入居してもらえないか、家賃を安くするしかないでしょう。しかし、必ずしも駅チカである必要もありません。例えば大学や専門学校、もしくはそれらへ行くバス停等の近くであれば、そこに通う学生の入居を狙えます。中古物件なら家賃を低めに設定しやすいので、学生向けの賃貸というのはアリだと思います。学生ならサイクルも早いですが、次々に新しい入居者が決まる可能性も高いですよね。口コミにも期待できます。

そう、この口コミこそが、大家さんの強みです。今は賃貸を探すときに大家さんの情報も見ることができたり、大家さんに直接問い合わせができたりするサービスもあり、いかに住居に対して、その周辺の人間関係が重要視されているかを窺い知ることができます。大家さんの評判の良さが、入居率に直結するかもしれないのです。口コミを味方にできれば、空室の出ない安定した運用も夢ではありません。

一方、オーナーさんの運用では、口コミは部屋の間取りや設備、管理が行き届居ているかどうかなど、物件そのもの利便性が重要となります。駅徒歩何分、周辺のお店や病院などの便利さといった客観的事実のみで勝負しなければならず、物件選びですべてが決まると言っても過言ではありません。おそらく多くの投資家の方はオーナーであって、大家さんになることは考えていないと思います。しかし、自分が住む・住まないにかかわらず、その物件のことを知り、住民目線で考え、住みたいと思えるかどうか?が、一番の判断材料なのではないでしょうか。

不動産クラウドファンディングという方法も

ここまで見てきて、オーナーも大家さんも面倒だな、と思った方も少なくないでしょう。それに、物件を買える程のお金の余裕もない…そんな方にオススメなのが不動産クラウドファンディング。これは先に書いた不動産特定共同事業をクラウドファンディング化したもので、ネット上で出資も運用もできるお手軽不動産投資です。

不動産クラウドファンディングは、一つの不動産に複数の出資者が少しずつ出資し、それぞれ出資した分だけの配当をもらえる仕組みで、商品によっては1口10万円から投資できるものもあったり、運用期間が半年~数年程度の短期間であったりと、従来の不動産投資のイメージを覆す商品です。

また、物件自体はあくまでも販売会社の所有となるので、出資者は一切の管理業務等を行う必要がありません。オーナーにも大家さんにもならないで、家賃収入からの配当をもらえるのです。

そして不動産クラウドファンディングには、出資者を守る仕組みも充実。よくあるのが「優先劣後」と「マスターリース・サブリース契約」。

優先劣後とは、出資総額のうちの優先出資分がお客様の出資で、劣後出資分が販売会社の出資となり、たとえ賃料が下落しても、劣後出資分から先に消化されていく仕組みです。例えば優先出資が全体の80%、劣後出資が20%だとすると、たとえその物件の価値が当初の90%に下落したとしても、劣後出資の範囲内なので、出資者の元本には影響しないのです。

マスターリース・サブリース契約とは、出資者と借り主が直接賃貸契約を結ぶのではなく、第三者が借り主との間に入り、出資者とマスターリース契約を結びます。そして借り主はその第三者とのサブリース契約により賃貸借契約を結びます。これにより、万が一借り主が居ない(空室)になっても、出資者に対しては、間に入った第三者が賃料を払うことになり、出資元本の保全性を高めるとともに、配当をより確実なものにします。

このように、不動産クラウドファンディングは不動産投資のハードルを大きく下げ、今大注目の投資商品となっているのです。

まとめ

不動産投資は、土地や建物を持っている人だけのものではありませんし、不動産を購入できる、ローンを組める高所得者だけのものでもなくなりました。人間の生活には欠かせない衣食住の住を担う不動産は、今後も一定の安定感のある投資商品であり続けるでしょう。そして何より、身近なものであることから、金銀プラチナや美術品、株や暗号資産など他の投資対象よりも分かりやすくないでしょうか?

今からでも全然遅くはありません。不動産投資、一度検討してみてはいかがでしょうか?他の記事でも、不動産にまつわる役立つ情報を豊富に発信しています!

 

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