不動産鑑定士・飛松先生に聞く「マンション探しはここを見ろ! 内観編」
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もしかしたら家具が入らないかも? まず見るべきは「○○の幅」
マンションの内観を見に行く時に、僕が玄関を開けてまず一番に見るのは「玄関の幅」と「廊下の幅」です。
賃貸マンションというのは結構玄関が狭かったり、廊下が狭かったり、ということがあるんです。例えば1メートルを切るような寸法の廊下や玄関だと、今持っているソファやタンスが入らない、ということになってしまうかもしれません。
玄関から入れられないとなると、吊り上げてベランダから入れるという方法もありますが結構お金もかかりますし、部屋の高さによっては吊り上げることはできないということも。
そうなれば家具を買い替えなければならなくなってしまいます。
築30年から35年以上が経過したマンションには、極端に玄関や廊下の幅の狭い物件もあります。気を付けた方がいいでしょう。
一人あたり5個は必要? 今や必需品のあのスポットとは
賃貸マンションのコンセント設置数は千差万別で、新しいマンションで広さが3LDKくらいだとだいたい15個くらいはコンセントがあります。
一方で古いマンションだと、10個ほどしかない場合も。
個人的に、四人家族で暮らすのであれば20個は必要かな、と考えています。
コンセントはキッチン、ダイニングだけで相当使います。冷蔵庫やオーブンレンジ、食洗器など様々なものにコンセントは必要です。
築年数の古いマンションでコンセントが少ないと、各個室からリビングダイニングに延長コードで繋いで使う必要があったり、また最近は携帯電話を一人一台持っているので、お子さんが充電している間は自分が充電できない、なんてことになると、喧嘩のたねにもなりかねません。
賃貸マンションのコンセントは勝手に増やせません。オーナーさんの許可を取らないとできないんですね。
一番多い侵入経路は「○○○○の窓」!
玄関の幅、コンセントの数、と見てきまして、最後に僕は「ベランダの位置」を見ます。
特に女性の方が一人暮らしをされる際、一番危ないのってベランダからの侵入なんですね。
防犯意識の高い方は玄関のカギを変えたりされますが、意外とベランダってノーマークのことが多いんです。
僕らもどういうベランダが危ないかというのを結構調べるんですが、何が危ないかというとベランダの外に何もないと登って来られないので、安全だと考えてしまいがち。
ですが実はそうではなく、泥棒って結構上から降りてくるんです。
実は一番危ない? 最上階の部屋
マンションの最上階は一番安全だと思われがちですが、実は一番危ないんです。
危ないのは最上階と一階で、中間階が一番安全なんです。
僕の知り合いも最上階の13階に住んでいたのですが、屋上から泥棒が下りて来て、ベランダの施錠をせず開けていた窓から侵入されて、お金などをすべて盗った後にまたベランダから出て屋上に戻っていって、という被害に遭いました。気づいたのは朝だったようです。
その時に警察の方から、最近は屋上から入ってくる手口が多いのだと聞いたそうです。
一番上に住んでいる方は最上階は安全だという思い込みから、防犯意識が薄れてしまうんですね。もし鉢合わせをしてしまっていたら、とても危険だったでしょう。
そして低いマンションでも、例えばマンションの横に電信柱などがあるとそこから登って入ってきてしまうので、そういったものがあるかどうかも確認します。
また一階の部屋だと、ベランダの外に目隠しの塀を建てていることが結構あるんですね。あれも、塀がある方がかえって危ないんです。
外から見えないので、いったん塀の内側に入ってしまうと何をしているのかわからないので、逆にオープンな方が安全です。
番外編? トイレの○○○も要チェック!
意外と思われるかもしれませんが、僕が賃貸マンションを検討している方にアドバイスをするのは、トイレのタンクを開けて中を見ることです。
それと、お風呂の排水溝のカバーを取って排水溝の中を見ること。この2つは絶対にしてくださいね、とお話ししています。
なぜかというと、その物件のクリーニングをした会社がどこまで行き届いているのかというのは、ここを見ればわかるんです。
きちんとした会社であれば、その二か所きちんとクリーニングをしています。けれど、だいたい半分弱くらいの会社はそこまでは掃除しないので、他のところでも粗が出るんですよ。
そこまできちんと掃除をする、きちんとした管理会社を使っているかどうかということを観るためにも、そこはしっかりと僕も確認しています。
まとめ
・玄関や廊下の幅はしっかりとチェックをすることが大切。
・コンセントの数が一人5個を目安に。
・実は泥棒は屋上から降りてくることもあるので、最上階でも施錠を。
・内見時にトイレのタンク内と風呂の排水溝で管理会社の行き届き度をチェック!