税理士・箕村先生に聞く!「若手実業家たちのその学びは経費になるのか?」
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起業した大学生の学費は経費になるの?
最近は若くして起業される方も多いですね。
大学生が在学中に起業する、というパターンもよく耳にしますが、この場合大学の学費は経費になるのかというと、これはおそらく難しいでしょう。
学費というのは学生の本分である学業のためのものなので、事業とは関係がなく、経費として計上することは無理なのではないでしょうか。
もしも設立が入学前で、その大学でないと自分が起業するにあたることを学べない、ということであれば可能性はゼロではありませんが。
社会人がMBAを取得しに行く、これは経費?
これは会社の社長の方でも、平社員の方でも、経費になります。
社会人は経費になるけど大学生はならない、ということではないんですね。そもそも学生の本分は学業であり働くことではないので、そこの入り口というかスタートラインが違うということなんです。
会社の職務を全うするために必要な学びは、経費の対象になります。
会社の経費で資格を取得。これの費用は何費になるの?
研修費や雑費、手数料などになると思います。
研修費に例えば一人年間150万円かかったとして、それが経費として認められるかどうかというのは、内容によります。
例えばトラック会社で社員を採用したが免許を持っていなかった、という事であれば、免許を取ってきてほしいとなりますよね。その費用は経費として成り立ちます。
学びが仕事に関連するかどうかの線引きは?
線引きとしては、事業に直接的に関係して来るかどうかですね。
例えば起業する前に様々なセミナーに行ったり、大金を支払って研修を受けたとしても、実際に起業をしなければ当然それは経費にはなりません。
またたとえ起業したとしても、それが直接事業に関連するものではなかったとすればちょっと厳しいということになりますし、一概にすべての学びを経費に出来るかというと、ザル扱いにはできないですね。
起業に向けて地方の牧場やレストランへ。これは学びと経験になる?
例えば沖縄のリゾートや北海道の牧場に起業のために行った、とします。
その牧場の食材や、沖縄のものを仕入れてレストラン経営をするという事であれば直接関連もありますし、今後も継続的にお付き合いもあるでしょうから、それは経費になるでしょう。
ただ実際にふたを開けてみたら、レストランではその牧場の食材を使わないなど、そういうことになってしまうとそれはどうなの、ということになるでしょうね。
起業の準備にかかったお金はどれくらい遡って経費にすることができる?
準備期間というのは何十年、というのは普通はないと思うんです。大体1年、長くて2~3年というところではないでしょうか。
その費用も、直接事業に関係するかどうかによって経費にできるかどうかは変わってきます。
英会話教室を開くために留学! この留学費用は経費になる?
まず僕が思うに、英会話教室を開くためにご自身が講師にならないといけないのか?というのが一つありますよね。英語を話せるバイリンガルの方や、イングリッシュネイティブの方を雇い入れて教室を開く、という手もあると思うんです。
そこを踏まえた上で、ご本人が留学して勉強する、これが絶対に必要なんだというのをどれだけ力説できるかな、というところがポイントですね。
例えば英語や中国語、イタリア語のようにいわゆる世の中に普通にある言葉以外の珍しい言語であればいけるのかな、とは思いますね。
まとめ
・大学生起業家の学費を経費にするのは事業関連性がないと難しい。
・社会人が会社の指示で資格を取る、その費用は経費になる。
・企業の準備にかかった費用は、遡って2~3年くらいまでは経費にできる。