税理士・箕村先生に聞く!「M&Aってなんですか?」

税理士・箕村先生に聞く!「M&Aってなんですか?」

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M&A、よく聞くけどどういう意味の言葉?

M&Aとは、会社と会社が合併、もしくは会社同士がくっつくことです。

どのような時に起こるかというと、親会社が子会社を吸収する、関連会社を吸収する、あるいは会社をやっている方が自分の会社をどこかに売りたいということで、売りたい人と買いたい人の利害が一致してM&A、というパターンも多いです。

報道で時々あるように、自分のライバル会社を買ってやれ!というのもあります。TOBや株の買い取り合戦、なども併せて報じられることがあります。

TOBってなに?

会社の支配権というのは、株をどれだけ持っているかということに関係してきます。株を多く持っていれば持っているほど発言権があるんですね。

上場会社であれば株は世の中に出回っているので、それを購入し、持ち株比率のパーセンテージが上がる。そうするとその会社に対して株主として発言が増える。いわゆる会社に対する影響力が増える、ということなんです。

そのため、あらかじめ「買付期間」「買い付け金額」「買付価格」を公開した上で、大勢の株式を保有する株主に売却を促し、取引所外でそれらの株式を買い付けます。これがTOBです。

この会社が欲しい、と思ったら株を買っていけば持ち株比率で関連会社を子会社化できる、ということですね。

買収には敵対的な買収、友好的な買収などがあります。買収の内容によるのですが、それによっては買収する側が「ホワイトナイト」と友好的な表現をされることもありますし、一時期Livedoor社がフジテレビを買収しようとしていたのは敵対的な買収だと捉えられていましたね。

買う人、売る人によってはスムーズに行く場合と行かない場合があるのではないかと思います。

 

そもそもなぜM&Aをするの?

会社を1から立ち上げるのは、時間もお金も非常にかかります。でもある程度できあがっている会社を自分の傘下に収めようと思うと、M&Aが一番簡単なんです。

事業規模を拡大する、というM&Aもあれば、後継者のいない、なり手のない中小企業が同業他社に自社を買い取ってもらう、という意味でのM&Aが最近は増えてきています。

 

M&Aでは株の売買だけで行われる?

会社の持ち主というのは株主なので、株を持っている方がその株を売り、M&Aをする側が買い取ります。

または会社ごと売るパターンもあれば、会社がやっている事業の一部門をM&A、いわゆる事業譲渡するというパターンもあります。なので、一概に株だけを売買する、というわけではないんです。

 

M&Aで考えられる落とし穴とは

思っていた会社と違う、とかですね。

買う方も売る方も正直にお話をしていかないといけないので、事前にDue Diligence(売却される企業や事業への調査)をしていきます。

決算書や申告書、その財務内容や借金がどれだけあるのか、資産がどれだけあるのかなどを開示して精査していきます。その中できちんと資産がある、評価はこれくらい、とそういうことを積み上げていって、最終的な値段交渉が行われて売買が実行されます。

そこに至るまでにはやはり時間や労力がかなりかかりますね。

決算書が偽造されていないかなどは見る人が見ればわかりますし、実際に資産があるかないか、決算書には載っているけど実際にないとなればそれは調べていかなければいけません。

それでも話が進むのであれば、ではこの資産はなしですね、というような話で評価が下がっていくというか、積み上げていく材料からそぎ落としていきます。

 

財務内容の他に評価することは?

財務内容以外では、あとはいわゆる人材ですね。大体そのまま引き継ぐパターンが多いです。元々いた従業員を合併後に全員解雇となると話が違うじゃないか、という問題が起こることもあるので、人材系の引継ぎがどのような形で行われるのかというのもM&Aの重要なところだと思います。

 

M&Aをする際に見ておいた方がいいポイントは?

規模が大きくなればなるほど値段も大きくなりますし、
自分の中でここまでは、というところを決めて交渉材料にしたらいいのではないでしょうか。

僕は実際には第三者のM&Aは経験したことがありませんが、
子会社親会社間であるとか、関連会社の事例はあります。

 

M&Aに限らず「この人嘘をついているかも」「胡散臭いな」という人の特徴ってありますか?

やっぱりいいことばかり言う人は「本当なのかな?」と、信用できるのかな?と不安になりますね。

よく喋る、詐欺師のような感じのトークはあまりよくないですよね。大風呂敷を広げる傾向もあるように思います。

実際のM&Aでもいいところばかり見ずに、現実としてしっかりと担当者、社長や財務内容を見ることが大切です。

会社も生き物です。そういう意味では人と人、という感じだと思いますので、しっかりとみていくことが大事なのではないでしょうか。

まとめ

・M&Aとは会社と会社がくっつくこと。

・財務内容などをしっかりと見ておくことが大切。

・敵対的な買収と友好的な買収がある

・M&Aでは良いところばかり見ずに、きちんと現実を見ることが大切。