U.K.さんに聞く「Z世代ってなんですか?」
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関西ではお馴染みのDJタレント、「関西のたれ目王子」、くっすんことU.K.さん。
今回はU.K.さんに「ターゲットマーケティングの新手法?X世代Y世代Z世代とは」というテーマについてお話を伺いました。
U.K.
関西を中心に活動するDJタレント。本名は楠雄二朗、通称「くっすん」。
ラジオを中心に、現在はテレビなどのメディアや音楽イベントの司会などでも大活躍。2015年には守口市 夢・未来大使に就任。活躍の幅を今なお広げ続けている。
U.K.さんによる解説! 「X世代」「Y世代」「Z世代」とは
―最近「X世代」「Y世代」「Z世代」という言葉をよく聞きますね。
U.K.: 僕も「何かな?」と思って調べたんですよ。僕の解釈ではありますが、順番にお話ししていきますね。
まず「Z世代」というのは、僕の子どもの世代。10歳から25歳くらいまでですね。これは国によっても若干違うようですが、だいたいそれくらいの年代です。
この年代というのは「ネィティブデジタル」でもあるんです。生まれて来た時からデジタルがあるのが当たり前の年代。SNSやYouTubeが当たり前、という世代の子たちなんですね。だからインフルエンサーがとても多いのがこの世代なんです。
続いて「Y世代」。これは「Z世代」以降、つまり25歳くらいから40歳手前くらいまでの世代です。移行期に当たりますね。アナログな、今までの既存のテレビやラジオに触れながら育ち、だんだんデジタルにも入っていくという世代です。
そして最後に「X世代」これは40代から60代手前までの世代のことを言います。テレビやラジオの黄金期を生きて来て、デジタルに関しては正直に言ってあまりよくわかっていない世代。
いや、なんとかついていこうとはしているんですよ。僕も先日アップルストアに行って、チンプンカンプンでしたけども、何とか一生懸命学ぼうとしています。
「Z世代」「Y世代」「X世代」というのは、受けてきたカルチャーが全然違う世代のことをそれぞれ指しているのだと思います。
世代をカテゴリー分けする理由
―なぜカテゴリー分けをする必要があるのでしょうか。
U.K.:この世代はそれぞれ触れてきた文化が全然違うなので、価値観も全然違うんですよ。
例えば先日僕が家でテレビを見ている時に、その隣で娘は自分のiPadを使ってYouTubeを見ていましたし、息子は妻のスマホを借りて検索していました。家族で過ごしていても、やっていることはもう世代でバラバラなんですね。
だからこそカテゴライズすることで、マーケティングをしやすくしているのではないかと。
以前にテレビの話をした時にも言いましたが、テレビやラジオの今欲しいゾーンというのは「Z世代」ではなく「Y世代」なんですね。つまり今一番勢いのある世代。大人になってこれから頑張るぞ、という「Y世代」の人たちが、今一番テレビの視聴率やラジオの聴取率が欲しい世代なんです。
もっともテレビを見ている世代は、実は……
―いま一番「当たっている」番組は「Y世代」向けに作られている番組なのでしょうか。
U.K.:……と言いたいところなんですが、実際は違うと僕は思うんですよ。
今本当に注目されているテレビ番組、視聴率が高いものというのは、実は「X世代」の視聴者が観るものが多いと思うんです。
その要因としては、「X世代」が少し前までのゴールデン世代だったということもありますが、社会情勢も関係しています。天災や人災、戦争が起きているこの世の中では、メディアの中でも報道が最も注目されるんです。だからこそ、報道番組をよく見ている「X世代」そのものが注目されているというのが肌感でありますね。
だからこそ、僕ら「X世代」向けのものをどんどんテレビでも意識して作っていくべきなのではないかと。
―例えばどんな番組を作るといいのでしょうか。
U.K.:この間見ていた特番の音楽番組では、若手のアイドルが僕らの世代の、彼女たちからすれば親世代の歌を歌っていましたね。これは「X世代」も「Y世代」も「Z世代」も、すべて取り込もうという作戦なんですよ。
このように我々の、「Z世代」の見ていた番組をリバイバルする。それと同時に、今まであまりテレビを見ていなかった若い人たちが興味を持って観るような内容にしていく。これがすごく重要だと思うんです。
リバイバル番組からわかる「振り返ること」の大切さ
―そうやって視聴マーケットを広げていこうということなんですね。
U.K.:少し前のニュースですが、「風雲たけし城」(1986年~1989年 TBS系列で放送)が戻ってくるということを聞きました。ビートたけしさんとたけし軍団が、一般参加者を相手に城を巡って対決するという番組です。様々なアクロバティックなステージを攻略していくのですが、体を張った番組って我々「X世代」もですが「Z世代」「Y世代」の若い人たちも興味を持つと思うんですよね。すべての世代を網羅するいい手なんじゃないかと。
さらに、最近同じTBS系列の人気番組である「SASUKE」がオリンピックの競技になるかもしれないというニュースもありました。
「SASUKE」も、いわば「風雲たけし城」がある意味で1つの原点のようなものだと思うんですよ。様々な難関を乗り越えて乗り越えて、アクロバティックなことをして、最後にはゴールに到達するという。
ビートたけしさんもコメディアンという側面と同時に、今では世界的な映画監督でもある。だからこそ、たけしさんとコラボすることで確実に世界的なヒットをするのではないでしょうか。(ビートたけしさんやたけし軍団が出演するかは調整中とのことです)
我々世代のものを改めてリバイバルする、という精神が大事なんだと思うんです。それがいろいろな形でヒットをさせる要因になると。
ファッションもそうですよね、一週周るというか、昔に流行っていたものがまた流行るということがあります。そういう意味でも振り返るという作業が大事なんでしょうね。
―デジタルが進化して様々なチャンネルが増えています。テレビ局も大変なんでしょうね。
U.K.:いや、本当に大変だと思いますよ。今までテレビの人たちは配信というものをライバル視していたところがありましたよね。でも今回の「風雲!たけし城」は地上波の放送局が制作をしてAmazonが配信するという形を取っています。
このようなコラボレーションはドラマや映画ではありましたが、バラエティやスポーツ系ではほぼ初めてなのではないでしょうか。もしかしたらあったのかもしれないですけど、これだけ大規模なものはあまり聞いたことがないので、新しい時代の幕開けだな、と感じています。