【税金】税理士・箕村先生に聞く!「キャバ嬢のルブタンは経費対象?」

税理士・箕村先生に聞く!「キャバ嬢のルブタンは経費対象?」

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キャバクラに勤める女性が履く「ルブタン」。経費計上することは出来る?

なかなかユニークな質問をいただきました。
これに関しては、キャバクラにお勤めの方がルブタンを履いてお店に出る必要がある、業務上必要なのであれば、経費の対象になります。

 

店の「価格帯」は関係ある?

例えですが、寂れたスナックに勤めていたらルブタンは経費にならない、高級クラブに勤めていれば経費になる、というような判断は難しいんですね。結局のところそれが収入に直接関係があるかどうか。いわゆる経費性、事業関連性があるかどうかがポイントになります。高いお店安いお店、というところでは区別しにくいですね。

 

「事業関連性」が経費と私費の境目

特に個人で事業主になっている方には事業活動と生活の部分がありますから、例えば100あるとして、50が事業、50がプライベートで使うものだとすれば、半分は経費になるけれど、半分は経費にはならない、という判断になります。

 

 店で着用するドレスや化粧品、ヘアセット代は経費になる?

ドレスに関しても、普段着にも使えるようなドレスだとなかなか認められにくいところがありますね。お店でしか着られないようなドレスであれば、それは経費になるでしょう。
クラブやラウンジ、キャバクラなどにお勤めの方は、出勤前に髪をセットされたりしますよね。それはもちろん、お店に出るために綺麗にされているわけですから、それは経費になります。
髪の毛というのはずっとその形で留まるわけではないので、一ヶ月に一回などの頻度でカットやカラーをすることもあるかと思います。これも、結局それは事業、お仕事に直結するかというのはポイントになってくるんですね。

 

 プレゼントとして贈ったルブタンの費用は計上出来る?

そもそも、そのルブタンはご自身で買われているのではなくプレゼントをされたものである可能性も高いですよね。

―ではプレゼントを贈った側が経費の計上は出来るのでしょうか。

これも事業関連性がポイントになってきます。ご自分が趣味で通われているお店に在籍している女性にプレゼントをする、ということだと、会社の経費としては認められないでしょう。
そうではなく、事業を円滑に進めるために顧客と食事に行き、そういった社交場に行く。その社交場の方にルブタンをプレゼントする。それが事業の繁栄に繋がる……ということであれば、もしかしたら関連性は認められるかもしれません。

 

ルブタンは「消耗品費」!?

プレゼント、いわゆる贈答品であればルブタンの購入費用は「交際費」をして処理されることになります。もし他のブランドの1万円程度の靴をプレゼントする場合でも、それが経費として認められるかというのはあくまでも事業関連性があるかどうかというのがポイントになってきます。価格の問題ではないんですね。
税務署の方が来られた際には、やはりどういうものなのかと聞かれることになると思います。もし僕が調査官だとして経費にルブタンがあったら「後で聞いておこう」と思いますから。

また「反面調査」というものがあります。これは税務調査に選ばれた会社と関係のある取引先の調査をすることなのですが、場合によっては領収書を確認して、実際にルブタンを購入した百貨店などの販売店に確認に調査員が行くこともあるでしょう。

ちなみに贈答品ではなく、例えばファッション業界の社長が自分で履くためのルブタンを購入した場合。
自身が様々な発信をするというお仕事の一環であれば、事業関連性が認められて経費になるでしょう。
この場合は贈答品ではなく自身で使用するので消耗品費になります。

高級品を贈答する機会の多い方へアドバイス

プレゼントを必要経費として、会社または個人事業の経費として計上する際は、それが本当に事業を関連があるかどうか。金額も含めて、そのプレゼントをすることで会社の収益が上がるのかどうかという点をしっかりと考えていただいて、それから計上していただけたらと思います。

 

まとめ

・「ルブタン」が業務上必要であれば経費計上は可能な場合も。

・店で着用するドレスは日常で使えない、店でしか使えないものであれば認められる。

・プレゼントとして贈った場合は贈答品として交際費に。ただし「事業関連性」がなければ認められないことも。

・個人で購入し、事業関連性があれば消耗品費として計上することに。