U.K.さんに聞く「芸能界の闇はなぜ深い?」
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関西ではお馴染みのDJタレント、「関西のたれ目王子」、くっすんことU.K.さん。
今回はU.K.さんに「芸能界の闇はなぜ深い?」というテーマについてお話を伺いました。
U.K.
関西を中心に活動するDJタレント。本名は楠雄二朗、通称「くっすん」。
ラジオを中心に、現在はテレビなどのメディアや音楽イベントの司会などでも大活躍。2015年には守口市 夢・未来大使に就任。活躍の幅を今なお広げ続けている。
芸能界の「闇」、そんなに深いの?
―芸能界というのは、そんなに闇が深いのでしょうか。
U.K.:僕は正直芸能界にはいないんです。僕は関西ローカルのDJ風タレントであり、どちらかというと放送界にいる感覚。放送局に出入りして、放送の仕事にちょっと携わらせていただいている程度の立場なので、正直芸能人の闇というものはあまり知りません。ただ、いろいろな噂は皆さん同様聞いたことはあります。
僕が知っていることというのはほとんどが週刊誌に書いてあることなので、詳しいことはあまり知らないんです。
ただ芸能界でなぜこんなにドラッグの問題やパワハラ・セクハラが起きるのかというと、なりたい人がごまんといるわけですよね。そういう人たちの中には手段を択ばない人もいますから、足元を見られたりマウンティングをされたり、という傾向があるのではないでしょうか。
―芸能界だけの話ではない、と。
U.K.:僕はそう思います。実際に僕の知っている会社の方もパワハラ・セクハラを受けながらも契約を取ってきています。問題にならないの?と聞くんですが、それが問題になるのはやはり大企業だけなんですね。
芸能界は一般の人からの理想も高いので、すごく叩かれやすいと思うんです。エンターテイメントである以上、仕方のないことかもしれないとは思いますが。
―脚光を浴びる世界ですもんね。
U.K.:芸能界はみんなの理想が高いので、そういうことがあると裏切られた感が強いのもわかるのですが、どの世界にもある話だと。
芸能界、放送局の人たちがみんなドラッグを使っているかというとそんなことないですよね。単に夜遊びの場としてそういうことの行われる場に行っていたり、悪い仲間とつるんでそういうことになったりしている。それはどの社会でもあることです。
ただ、芸能界にいる人たちがそういうところに安定を求めてしまう気持ちはわからなくもないです。やっぱりこの仕事って刹那的なんですよね。一本が終われば次はどうなるかわからない。
また、こういう仕事の人は破天荒ではないといけない、という思い込みをしている人もいるかもしれません。
自分に自信を持って行動し、それが成功したら……
人は「暴君」になる?
―日本の芸能界は闇が深いというよりも、いわゆる椅子取りゲーム型で、その椅子を取りたいがために何でもしてしまう人たちもいるし、何でもさせてしまう人もいる。そこが目立つ、ということなのでしょうか。
U.K.:そういうことだと思います。最近、映画監督の性加害が問題になっていますね。エンターテイメントというのは数値化するのが最も難しい業界だと思うんです。出来た作品が公開されてから結果が出るかどうか、というところがある。
だから作っている時には何が正解かがわからない。だから監督は自分自身を信じるしかないんです。自分を信じた結果素晴らしい作品が出来て、世に出た瞬間ヒットした。
ヒットした瞬間、自分を信じて頑張ってきて結果が出た瞬間、人はどうなると思いますか?
人にもよりますが、暴君になる人が非常に多いんです。
―それは芸能界以外でも言えますよね。
U.K.:ワンマン社長とかね。自分を信じて結果を出しているからこそ、そうなるんです。そして暴君になればなるほど、自分のいけない欲求が優先されて行くのも人間なんですよ。
人間とはどういうものかというと、良いも悪いも犯罪を起こさない限りないと思うんです。なぜかというと、人間はミラーボールと一緒。多面性、いろいろな顔がある。それを出すかどうか次第だな、と。
よく「あの人はあんな人じゃないと思っていたのに幻滅した」とか聞きますけど、いやいやそれはあなた方が勝手に決めつけているだけでしょう、と思うんですよね。
―現在は会社の中でも弱い立場である従業員が働きやすいようにパワハラ防止法があったり、様々な法律が改正されていますよね。男性の育児休業の制度なども改正されて、働きやすい環境になっている。コンプライアンスの高い環境にはなりつつありますよね。
U.K.:それはなぜかというと、働く人が減っているからなんです。働く人が減っているからこそ、逆に今は雇われる側の方がパワーがあったりするんですよね。どこの会社も人手不足で困っているんです。
ただそんな中でも、芸能界だけはみんなやりたいんですよ。
U.K.さんが芸能界に入った「ホンネ」の理由
―なぜみんな芸能界にそんなに入りたいのでしょうか。
U.K.:やはり、わかりやすく地位や名誉が見えるからではないでしょうか。
―U.K.さんはなぜ芸能界に入ったんでしょうか。
U.K.:僕がはじめに芸能界に入ろうと思ったきっかけは、人に感動を与えたいという想いもありましたが、母親の為なんです。
僕の母はもともと11PM(過去に放送されていたテレビ番組)のカバーガールやモデルをしていて、僕の兄を妊娠して結婚して、その後僕も生まれて。そこで芸能界を諦めています。
諦めたからこそ、その思いを僕に託しているんですよ。だから僕はこの世界を目指したんだということに、最近気づいたんです。
そういえば初めはお母さんのためにこの仕事をやっていたんだ、と。そう気づいた時に、果たしてこの仕事が本当に自分に向いているのかということが最近もわからなくなってしまっていて。本当にやりたいことは何だ、と。
気づいた後にこうやって喋る仕事をさせてもらっている時に、あれ、やっぱり楽しいと思うんですよね。気づいたんです、これが僕の天職だな、ということに。今まで気づいていなかったんですよ。
母のために、誰かのためにやってきた。だから本当に楽しいかどうかわからなかった。でも一度疑うことによって、それが好きかどうかを客観して見られるようになってきたというか、わかるようになってきたんです。
あらためてこの仕事をやってみて、これは本当に好きだ楽しいなと思えた時に、ああこれがやりたかったんだ、正しい未来だったんだなということがわかったんですね。
芸能界を目指している方には、一度自分がなぜ目指しているのかを考えてみて欲しいですね。ただ単にモテたいとか、人気が欲しいとか、そういう気持ちで目指すのであればやめた方がいい。本当に大変だから。
でも、何か伝えたいものがあるとか、これを見せたいというものがあるならそれは正しい選択です。
ミーハーな気持ちでやるとしんどいし、自分を犠牲にすることになってしまう。
何かを目指す時には他人と比べず自分軸で考えよう
―自分がなぜその道を進みたいのか。芸能界以外にも様々な道がありますが、それを見つけて邁進することが大切なんですね。
U.K.:そうですね。あと、皆さん何かを目指す時に絶対に他人と自分を比べてしまうんです。あいつはあんなに有名なのに自分は、とか、あいつはあんなにかっこいいのに、背が高いのに、とか。
夢を目指す時は、他人のことは一切考えなくていい。自分のことだけを考えて、何がやりたいのかを自問自答してほしいです。そうでないとぶれてしまいますから。
今回のテーマは「芸能界の闇はなぜ深いのか」でしたが、芸能界だから闇が濃い、という話ではないですね。それぞれのモラルの問題だと僕は思います。