【不動産】2022.05.13

【不動産】不動産鑑定士・飛松先生に聞く「オーナーVSテナント!? 賃料攻防戦」

不動産鑑定士・飛松先生に聞く「オーナーVSテナント!? 賃料攻防戦」

土地の価格が下がっても店舗の賃料は下がらない?

コロナ禍となってから、以前と比べると買い物目的で街に出る人というのが減ったように感じます。ECサイトで物品を購入したり、そもそも出歩くのを控えているという人も増えたのでしょう。
人出を見込んで市街地に店を出した人は、売上が減って窮地に立たされていることもあるでしょう。賃料など、固定費の見直しを考えている方も多いのではないでしょうか。

 そもそも賃料がどのように計算されるかと言うと、土地の値段によって変化します。
現在のコロナ禍において土地の値段は下がっており、実際に繁華街では大阪のキタやミナミは若干下げの方向で推移をしています。

こういった状況では、賃料を払っている店側が「値下げしてほしい」というアクションを起こすことで、賃料が下がる余地があるかもしれないんですね。

オーナー側がそれに対して「NO」であればそこから交渉をスタートすることになりますが、オーナー側からすると店側に出て行かれて空き室になってしまうと賃料はゼロになってしまう。それだったら少しは値下げをしようと考えるオーナーもいるので、まずはアクションを起こしてみることが大切です。

 

値下げ交渉も不動産鑑定士に依頼可能?

実際に、そういった依頼を多くいただいています。新型コロナウィルスが流行し始めてから数年経ちますが、1年目は家賃減額の相談を受けることがとても多かったですね。

「賃料」に関しては一般の方だとわからないことが多いんです。土地の値段であればざっくりとこの辺りなら坪いくらくらいかな、という目安がわかることもありますが、賃料の相場というのは素人の方には難しい。

坪単価辺りの賃料が妥当なのか、というのをしっかりと出せるのは不動産鑑定士だけですね。

 

 

継続賃料の考え方

継続賃料、という言葉があります。Aさん(貸す側)とBさん(借りる側)の間に契約関係があり、その契約関係を基に形成される賃料のことを言います。

Bさんが相場よりも割高の賃料で10年間借り続けていたとします。それを相場と同じくらいに下げて欲しい、というアクションを起こしました。
もともと賃料は相場より割高であることから下げる余地はあるのですが、急に今の相場と同じ値段に下げるとかなりの値下げになってしまいます。そうするとAさんも困ってしまいますよね。

この場合は、10年間相場よりも高い値段を払い続けていたBさんが声を上げなかったことにも問題があったよね、という判断が行われます。

具体的な金額で例を出すと、Bさんは坪30000円で10年間借りていて、それを相場の坪20000円にしてほしい、と交渉を開始します。Aさんとしては急に坪20000円に下げられてしまうと困るので、間を取って坪25000円にしましょう、と。この発想を継続賃料と言うのですが、ここの妥当な賃料を出すのが不相談鑑定の役割なんです。

お店の場合、お客さんが店についていることが多いですよね。移転をすることでお客さんが離れてしまうリスクもあるので、出来れば同じ店舗で賃料を下げてやっていきたいでしょうし、オーナー側も空室にならない方がいいでしょう。

賃料が高くて悩んでいる場合はそういった交渉を始める、まずは声を上げる、というアクションを起こすだけでも価値があるのではないでしょうか。

 

 

相談をよく受ける業種は?

私がよく相談を受けるのはやはり飲食店ですね。次いで来店型のネイルサロンやエステです。
相談に来られる方の年代は私と同世代の40代の方が多いのですが、高齢の方もいらっしゃいますし、20代で事業を起こしている方もいらっしゃいます。わりと幅広いですね。

インバウンドが全盛だった3~4年前は、逆にオーナー側からの相談が多かったんですよ。ずっと安い賃料だったので上げたい、という相談が圧倒的に多かったのですが、コロナ禍になってからはほとんどが店側からの相談に変わりました。

 

 

社会情勢的にオーナーよりも借主が強い?

本来立場はイーブンのはずですが、社会情勢的に現在は借主の方が立場が強くなっています。契約を結び直すと大体2年くらいは契約の有効性があると言われているのですが、次の更新時に景気が良くなっていれば逆にオーナー側から賃料の値上げ要請が来る可能性もあります。

オーナーが今一番恐れているのは、空き室になってしまうことなんです。気持ち的には出て行って欲しいな、と思っていても、賃料がゼロになってしまうよりかはと要求を呑んでいる方もおられるかもしれません。

人と人同士のやりとりなので、お互いが少しずつ妥協をして持続可能は方向で着地する場所を見つけだせるのが一番いいのではないかと思いますね。

ただ、賃料が明らかに相場よりも高いということであれば交渉の余地がありますし、ほぼほぼ100%に近い形で下げられると思います。
売上が上がらなかったり、減少したりして、家賃問題を含め店をどうしようと悩んでいる方はぜひ一度ご相談ください。

 

 

まとめ

・土地の価格に比べて賃料というのは相場がわかりづらい。

・賃料値下げの相談は不動産鑑定士に可能。

・「継続賃料」の考え方。妥当な賃料を算出できるのは不動産鑑定士。

・景気によって相談元の割合は「オーナー側」「店側」の比率が変わる。

・人と人とのやり取りなので、思いやりを持って交渉を。