【相続】不動産鑑定士・飛松先生に聞く「骨肉の争いを未然に防ぐ!遺産問題」

不動産鑑定士・飛松先生に聞く「骨肉の争いを未然に防ぐ!遺産問題」

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不動産鑑定士の仕事で実は多いのが「遺産問題」に関する相談

遺産相続に関する相談先というと、弁護士のフィールドだと考えていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
実際には不動産の絡んだ問題になると、弁護士にもわからないことが多くなるので、そういう場合には弁護士と不動産鑑定士がタッグを組んで相談を受ける、というケースが多くなります。

私が相談を受ける中で、一番多いのは相続に関する相談なんです。その中で、今回は一つの例をもとにどのような相談を受けているのかをお話していきます。

 

三兄弟の父。世話になった長男と次男にだけ相続をしたい、と遺言書を作成

三兄弟の父である90代の高齢男性は、長男と同居、そして近くに住む次男にも世話をしてもらっていました。
その男性が亡くなり、男性は世話になった長男と次男に財産を引き継がせたいという意図をもって遺言書を書き残していました。

この男性の三男は仕事の関係で遠く離れたところに住んでおり、晩年の男性とはほとんど関りがない、という状況です。
私に依頼をしてきたのは、三男です。父が長男と次男にのみ財産を継がせるという遺言書を残していたので、このままでは財産を全く引き継げないので何とかならないか、というご相談でした。

本来であれば弁護士が窓口となって相談を受けることが多いかと思うのですが、亡くなった男性の財産のほとんどが不動産でした。
そうなると、どれくらい不動産を引き継ぐことが出来るのかということを調べることが必要です。不動産の価値をはっきりとさせることが大切になってくるんですね。

 

遺言書の内容は絶対?

遺言書に「長男と次男へ」とあった場合には、もう三男には相続権がない、と考えてしまう方は多いです。しかし、実際には遺留分が認められています。法律で一定の財産を引き継ぐことが認められているんですね。
本来であれば長男、次男、三男で三等分されるはずの権利があるにもかかわらず、遺言書があることで三男は一銭ももらえないというのはあまりに不公平なので、遺留分減殺請求をする権利というものがあるんです。

今回の件では不動産が10億円、株式などの金融資産が5億円、合計15億円の遺産がありました。
本来であればそれらの遺産の三男は三分の一を相続出来ます。

実は初めに遺留分のお話を長男・次男側にこちらから伝えたんです。

これはこちらの推測なんですが、遺言書通りであれば本来15億円の遺産を二人で分けられたのに、誰かが三男に遺留分の話を吹き込んだから出来なくなった。ではせめて三男への配分を減らそうと考えたのか、元々のベースである遺産の不動産価値について、実際は10億円の価値があるのにこちらには5億円の価値しかない、と伝えてきたです。

そこからは私のフィールドなので、いやいやおかしいでしょう、と。

不動産の価値は10億円はありますよ、というレポートを作成して長男・次男側にお渡ししました。
その結果お二方も納得されて、晴れて三男も遺産を相続することが出来たんです。

 

家族仲良くが理想。遺産相続で揉めないために

この案件では無事に依頼人である三男の希望が叶いましたが、本来であれば兄弟ですし、相続人同士仲良く出来ればいいですよね。

揉めないためにはどうすればいいか。これは一つの案なのですが、不動産資産というのはわかりにくいものなので、一般の方にも価値がはっきりとわかりやすい資産に代えておくというのも一つの手段ですね。売却して現金にしたり、株で持っておくとか。

それでも「ここの土地だけは手放したくない」という土地もやはりありますよね。
元々その土地を保有している親御さんからしたら、自身が亡くなった後に子どもたちが揉めるのって一番嫌なこと。
それであれば、生きている間に不動産鑑定士に依頼して土地の鑑定をしておく、という方法もあります。

我々は生前対策というのも行っています。亡くなられる前にコンサルティングで関わっていくのですが、今の資産がこれくらいの価値で、仮に5年後に相続をするとなれば価値はこのくらいになるでしょう、とお話をします。

そこから、ではこの資産は誰に、この資産は誰に、というのをあらかじめプランニングしておくんです。そして全員が納得されたうえで判を押してもらう。そしていざその時が来たらその通りに分与する、という方法です。

 

家族の絆をしっかりと繋ぎとめるのも、私たちの仕事です。…と、優しい一面があることもアピールしておきます。

 

まとめ

・不動産鑑定士の仕事で一番関わることが多いのは「遺産問題」

・遺言書に指名がなくても、法定相続人は「遺留分減殺請求」を行う権利がある

・遺産問題で揉めないために。土地相続の生前対策の相談は不動産鑑定士へ。