【法律】知らないでは済まない!成人年齢引き下げで起こりうる社会問題

2022年4月1日から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることで、ひとりでも契約を結ぶことができるようになります。それにより、18歳になった瞬間から契約に係るさまざまなリスクを想定しておくことが必要です。

本記事では18歳が成人になったことで起こりうる社会問題

高校三年生のクラスに混在する成人と未成年問題

成人年齢が18歳に引き下げられることで、高校三年生のクラスの中に成人と未成年が存在します。これによる影響は、学校の中よりも外で発生する恐れがあります。

例えば、17歳の方が18歳の友達を誘って芸能事務所のレッスンに行ったと想定しましょう。未成年には「未成年取消権」と呼ばれる、親権者の同意がない契約を取り消しできる権利があります。つまり、17歳の方だけが「未成年取消権」を持っていることになります。

もし、レッスンが芸能事務所を謳った悪徳商法であった場合、誘った側の17歳は成人ではないため、契約を取り消すことが可能です。しかし、誘われた側の18歳は契約を取り消すことができません。

このようなトラブルが発生する可能性は十分想定されます。そのため、成人になったことで想定されるリスクを理解しておく必要があります。

18歳には「後戻りの橋」「防波堤」は無効⁉︎

未成年取消権は、悪徳業者と契約をしてしまった場合でも契約を取り消せる「後戻りの橋」としての機能や、はじめから悪徳業者のターゲットにならない「防波堤」としての役目があります。

今までは法に守られていた18歳の高校三年生には、この権利を持つことができないため、さまざまな契約をめぐって危険に晒される可能性がでてきました。

しかし、未成年取消権以外にも「クーリングオフ制度」といった、年齢に関係なく消費者として守られる制度があります。成人になったことで得た権利や責任を理解しておくことが大切です。

10代で自己破産続出⁉︎経済的な自立をしないまま、契約が可能になる「学生成人」に潜む問題は?

成人年齢が18歳に引き下げられることで経済的な自立をしないまま、契約が可能になる「学生成人」が増加します。これにより、親の同意がなくてもクレジットカードや消費者金融との契約が可能です。

例えば、収入がないのにもかかわらず消費者金融と契約した場合、借金を減らすために、自己破産や個人再生などの「債務整理」をする可能性があります。

そうなると、契約を結んだ消費者金融は借入額を回収できません。ただし、このようなケースの場合、支払い能力がない18歳と契約を結んだ消費者金融に問題がないとは言えません。

契約を結ぶ前に、必ず審査をしているはずです。支払い能力があるかどうかは審査時点でわかるはずなので、審査時に見抜けなかった消費者金融にも問題があったというわけです。

そのため、消費者金融もそのようなトラブルを想定し、18歳との契約を自主規制するという可能性も考えられます。

18歳で借金を作ってしまった場合

成人年齢の引き下げにより、18歳で多額の借金を抱えてしまう方がでてくることが想定されます。自己破産を選択する方もでてくるでしょう。

確かに、任意整理や自己破産後5〜10年間はクレジットカードが作れないといった問題があるかもしれません。しかし、人生はまだ始まったばかりです。仮に自己破産してしまったとしても、必ずしも就職に影響するわけではありません。悲観せずに前を向くことが大切です。

成人になることで得る権利と責任、制度を理解しよう

成人年齢が18歳になることで、今までは守られていた契約面でのトラブルが増加する可能性が考えられます。多額の借金を抱え、自己破産が発生することも想定できます。トラブルに巻き込まれないためには、成人になることで得る権利や責任を理解することが必要です。

また、契約のトラブルには年齢関係なく消費者として保護される「クーリングオフ制度」も存在しています。トラブルにあったときに利用できる制度を知っておくことも大切です。

成人の権利や責任、制度を理解して、自分を守りましょう。