小売り、サービス業の方必読!町の電気屋さんが、いかに地域一番になったのか①

以前、私が所属する感動経営コンサルタント協会の見学会で、東京町田市にある「でんかのヤマグチ」におじゃましました。同社は、これまでメディアやマスコミに度々取り上げらているのでご存じの方も多いと思いますが、私は名前くらいしか知らず、驚異の粗利率45%と聞いていたので、まあ修理で儲けているのやろと安易に考えていました。ところがです。行ってビックリ、まさに驚異的、同店の地域一番販売戦略に、街の小売りの神髄を見ました。

でんかのヤマグチ (d-yamaguchi.co.jp)

まず同社の立地ですが、町田市は東京の有数のベッドタウンで、駅前に大手家電量販店6社、ヤマダ、エディオン、ノジマ、ジョウシンなどが犇めきあっており、とても街の弱小小売り店など生き残る場所ではありません。実際山口社長に聞くと、今の業態を始めた25年前は瀕死の状態であった、なので生き残るために、できるできないではなく、やるしかない状態だったとおっしゃられました。

そうなんです。山口社長にとって業態改革は「これしか生き残れない戦略」だったのです。このまま量販店と価格競争をしてもいずれ廃業倒産となる、であれば、従業員のために「できる、できん」ではなく「やるしかない戦略」でした。そして現在の業態でやると決めたところから、お客様がこのやり方で納得して買っていただくための「地域一番販売戦略」が生まれてきたのです。

事程左様に経営者が最初にやることは、まず「登る山」を決めることです。そしてその山の山頂を強烈にイメージしてどうやって山頂にたどりつくのかを考えます。登るルートは無限にあるのです。同社の登り方は、「地域限定」「買ってほしいお客様を絞る」「高く売る」でした。今回の見学会で私は、経営者には「できる、できない」ではなく、なにがなんでも絶対に登るという覚悟と1mmもブレない意志力が絶対に必要なことを学ばせていただきました。

次号で、では同社はどうやって山に登っているのか、販売戦略である、「地域限定」「買ってほしいお客様を絞る」「高く売る」について考察したいと思います。お楽しみに!